Mac Studioの外部インターフェースの数とストレージ容量に不満を感じているユーザーに向けて、レトロMacintosh風デザインの多機能ドッキングステーション「Wokyis G7」の実機レビューをお届けする。本製品は、Mac Studio/Mac miniの天板にぴったりと収まり、豊富なUSBポート、M.2 NVMe SSDスロット、CFexpress Type Bスロット、SD/microSDメモリーカードスロット、7型のフリップアップディスプレイと9個の物理ショートカットボタンを備えている。
Mac Studioの不満を解消する豊富なポート類
筆者はAppleのデスクトップPC「Mac Studio」を利用しているが、不満ポイントの1つとして外部インターフェースの数とストレージ容量が挙げられる。背面にThunderbolt 5(USB4 Version 2.0/USB 80Gbps)ポートが4基、USB Standard-Aポートが2基、前面にUSB 3.2 Gen 2(USB 10Gbps)Type-Cポートが2基、UHS-IIに対応したSDXCメモリーカードスロットが1基備わっているが、メインのデスクトップマシンとして利用するには拡張ポート数が足りない。
例えば、筆者が利用しているカメラ「Nikon Z6III」は、記録メディアとしてCFexpress Type Bカードを利用しているのだが、Mac Studioでアクセスするには別途カードリーダーが必要となる。他にも外部機器を接続していくと、すぐにポートが埋まってしまうのだ。
また、Mac Studioには内蔵SSDを増設する手段が存在しないため、後から容量を追加したければ外付けストレージに頼ることになる。少し前にあったMac Studioの価格改定や、つい先日発表された新モデルの価格を見ると、内蔵SSDを大容量のものに指定するには予算がかかりすぎる。
レトロMac風デザインとフリップアップディスプレイ
今回試すMac Studio/Mac mini向けドッキングステーション「Wokyis G7」は、そうした不満をまとめて解消できるドッキングステーションだ。Mac Studio/Mac miniの天板にぴったり載せられるボディーに、豊富なUSBポート、M.2 NVMe SSDスロット、CFexpress Type Bスロット、SDメモリーカードスロット、microSDメモリーカードスロット、そして7型のフリップアップディスプレイと9個の物理ショートカットボタンを備えている。
「これでもか!」というほどに、いろいろと詰め込んでいるながら、往年のMacintoshを思わせるデザインも大きな特徴で、先日まで「Kickstarter」で販売されていた。
本製品にはUSB 3.2 Gen 2 Type-C接続となるモデル(Wokyis G7 10Gbps)と、Thunderbolt 5接続となるモデル(Wokyis G7 80Gbps)の2種類が用意されている。今回は、メーカーからサンプル提供を受けた10Gbpsモデルを使って、その便利さをお伝えしたい。なお、サンプル提供バージョンは、製品版(Kickstarterでの販売分)と仕様が異なる可能性がある。その点は留意してほしい。
Wokyis G7は、Mac Studio/Mac miniの天面にひったりと収まり、レトロMacintoshを思い起こさせるディスプレイ付きのドッキングステーションだ(今回は10Gbpsモデルを試す)。まず外観をチェック!まず、Wokyis G7 10Gbpsの外観をチェックしていこう。
本機の「目玉」でもあるフリップアップディスプレイは、ボディー天面に収まっている。冒頭でも述べた通り、フットプリントはMac Studio/Mac miniの天面とほぼ同じで、上に載せると一体型の機器のように見える。7型のフリップアップディスプレイは、名前の通り持ち上げて使うことが可能で、その下部にはレトロゲームのコントローラーを彷彿とさせる物理ボタンが並ぶ。ボタンの役割は以下の通りだ。
- 上情報ボタン:ディスプレイの輝度アップ
- 下情報ボタン:ディスプレイの輝度ダウン
- 左情報ボタン:ボリュームダウン
- 右情報ボタン:ボリュームアップ
- 中央ボタン:動画や音楽の再生/一時停止
- 左側面ボタン:スクリーンロック
- 右側面ボタン:スクリーンショット撮影
- 左あずき色ボタン:コピー
- 右あずき色ボタン:ペースト
いわゆる「マクロキー」のような振る舞いをしているのだが、ボタンの機能カスタマイズはできない。少し残念なポイントだ。往年のMacintoshデザインを彷彿とさせていることもあり、本体のカラーはMac Studio/Mac miniのシルバーとは異なる。しかし、個人的にはこれはこれで味がある組み合わせだと感じた。
前面・背面・M.2 SSDスロットの詳細
続いて前面を見てみよう。前面には左からCFexpress Type Bスロット、UHS-IIに対応したSDカード/microSDカードスロット、さらに最大10Gbpsの通信に対応したUSB 3.2 Gen 2 Standard-Aポートが2基、同じくUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートが2基配置されている。CFexpress Type Bスロットが用意されているドッキングステーションは珍しく、筆者のようにCFexpress Type Bカードを記録メディアを使うカメラを利用している場合は、地味にうれしいポイントといえる。
背面を見てみよう。背面は左からフリップアップディスプレイのオン/オフを制御するスクリーンスイッチ、ホストデバイスと接続するためのUSB Type-Cポート、そしてHDMI「入力」端子を備える。本機はMac Studio/Mac miniをメインターゲットとした製品だが、接続先のホストデバイス(PC)に縛りがあるわけではない。DisplayPort Alternate Modeに対応しないデバイスを接続した場合を想定して、フリップアップディスプレイ用にHDMI入力端子を備えているのだ。
その他、背面にはUSB 2.0 Standard-Aポートを3基、3.5mmヘッドフォンジャックを1基、Wokyis G7 10Gbpsに電源を供給するためのUSB PD(Power Delivery)対応USB Type-Cポート(36W)を1基備えている。「今さらUSB 2.0ポートが必要なのか?」と思う人もいるかもしれないが、ワイヤレスキーボード/マウスなどで使われる2.4GHz帯の無線レシーバーは、USB 3.2 Gen 1(USB 5Gbps)以上のUSBポートに接続するとノイズが乗りやすい。そのため、このような無線レシーバーにとっては、USB 2.0ポートの方がむしろありがたいのだ。ただ、どうせなら3基のうち1基は、前面と同じくUSB 3.2 Gen 2ポートにしてほしかったところだが、帯域幅の都合上仕方のない部分なのかもしれない。
M.2 SSDスロットには大型ヒートシンク。M.2 SSDスロットは、フリップアップディスプレイの下部に配置されている。内部にアクセスするにはT3のトルクスドライバーを使って、2本のねじを外す必要がある。M.2 SSDスロットはNVMe規格のM.2 SSDモジュールに対応しており、カバー自体が大型のヒートシンクのような役割を果たす。発熱の大きいNVMe SSDを搭載するための熱対策を考慮した設計となっていることが見て取れる。
続いて、Wokyis G7 10Gbpsの特徴でもあるフリップアップディスプレイをチェックしてみよう。ディスプレイの角度は0度から約70度まで無段階調整できるようになっている。ディスプレイサイズが7型と小さいこともあってか、パネルの解像度は1280×800ピクセルと低めだ。さすがにメインディスプレイとして使うにはかなり厳しいが、常時表示しておきたいサブウィンドウを置くのにちょうどよい。なお公式では、時計やフォトフレーム、歌詞表示、ステータス表示、簡易的なゲーム画面といった表示で使うことを紹介している。
電源を投入すると、ディスプレイに「hello」というメッセージが表示される。これは初代Macintoshの起動画面を彷彿とさせた演出であり、この製品の性格をよく表している。



