1万円超えビニール傘の正体:皇室・芸能人愛用の老舗が手掛ける最強透明傘
1万円超えビニール傘の正体:皇室・芸能人愛用の老舗

ビニール傘でありながら1万7600円という価格帯にもかかわらず、皇室や政治家、芸能人が愛用する高級透明傘が存在する。その正体は、1721年(享保6年)創業の老舗企業「ホワイトローズ」が手掛ける「カテール」シリーズだ。

1721年創業、刻みたばこ商から傘の老舗へ

ホワイトローズの歴史は、将軍・徳川吉宗の時代にまで遡る。江戸駒形で刻みたばこ商「武田長五郎商店」として創業し、当主は代々武田長五郎を名乗った。転機は2代目から3代目にかけて、たばこを湿気から守る「油紙」の技術を応用して雨用の合羽を開発したこと。これが参勤交代の武士の間で評判となり、4代目から雨具専門店へと舵を切った。

世界初のビニール傘を開発

戦後、当時は綿傘が主流だったが、色落ちの苦情が絶えなかった。9代目・須藤三男氏(現社長の父)は、進駐軍が持ち込んだビニール素材に着目。綿傘の上にかけるビニールカバーを考案・販売し、大ヒット。そして1958年、世界に先駆けてビニールフィルムを直接骨に張る「世界初のビニール傘」を開発し、特許を取得した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

元祖が挑む高級路線

安い中国製に席巻されていた市場で、同社が脚光を浴びたのは、業界の常識を覆す価格設定の「高級透明ビニール傘」だった。その決定的なきっかけは、2010年、宮内庁からの公式製作依頼だった。

美智子さまが園遊会で使用

2010年、宮内庁から「美智子皇后が秋の園遊会でご使用になるため、透明で極めて丈夫な傘を作ってほしい」という依頼が同社に舞い込んだ。園遊会では、雨が降っても出席者の顔がよく見え、皇族方の表情も拝見できるよう、透明な傘が求められていた。しかし、風で裏返るような市販のビニール傘は使えない。そこで、皇族方の傘を手掛けていた前原光榮商店を通じて、ホワイトローズに声がかかった。

強風に強い「逆支弁構造」

ホワイトローズの高級ビニール傘「カテール」は、強風にあおられても裏返らない「逆支弁構造」を採用。通常のビニール傘とは一線を画す耐久性と品質で、皇室からの信頼を得た。その後、政治家や芸能人にも愛用者が広がり、現在では1万7600円(税込)の価格で販売されている。

全国植樹祭での採用が決め手

実は宮内庁からの依頼の数カ月前、神奈川県で開催された「全国植樹祭」に両陛下が出席された際、雨天のためスタッフがホワイトローズ製の高級ビニール傘「カテール」を差し掛ける場面があった。これが美智子さまの目に留まり、園遊会での使用が決まったという。

老舗の誇りと革新性

ホワイトローズは、1721年の創業以来、雨具の専門家として技術を磨き続けてきた。ビニール傘の元祖でありながら、高級路線にシフトしたことで、新たなブランド価値を確立。皇室御用達という信頼は、同社の品質へのこだわりの証でもある。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ