JR東海「東海道ルミエールエクスプレス」第2回は上りで運行、新富士駅に長時間停車
JR東海「東海道ルミエールエクスプレス」第2回は上り、新富士駅で長時間停車

JR東海は、9月22日深夜から9月23日早朝にかけて「東海道ルミエールエクスプレス」を運行すると発表した。第1回(8月8~9日)の反響を受けて行われる第2回は上り列車で、新大阪駅・京都駅・名古屋駅で乗車、新横浜駅・品川駅・東京駅で下車できる。C席が販売される一方、女性専用車両の設定がないなどサービス面の変更も多い。

第2回は上り列車、新富士駅で「すやすやタイム」

第2回運行は前回と逆方向の上り列車で、9月22日に新大阪駅22時3分発・京都駅22時18分発・名古屋駅22時54分発で運行。今回の「すやすやタイム」は新富士駅で深夜0時前から翌朝6時すぎまで設定された。静岡県で9月23日の日の出は5時35分とのことで、夜明けの空に浮かび上がる富士山を眺められるかもしれない。長時間停車を新富士駅とした理由をJR東海に聞いてみたところ、「ダイヤ設定の都合」だという。とくに富士山を意識したわけではないようだが、気持ちの良い朝を迎えられたなら、きっと良い思い出になるだろう。

新富士駅を6時すぎに発車した列車は、新横浜駅6時35分着・品川駅6時47分着・東京駅6時54分着で運行予定。首都圏の列車が稼働している時間帯に到着する。東京駅でJR東日本の新幹線に乗り換えれば、その日の午前中に東北などの主要都市へ着けるし、東北・北海道新幹線を利用すれば昼すぎに新函館北斗駅まで行ける。

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女性専用車両は設定なし、その理由は

「東海道ルミエールエクスプレス」は、鉄道ファン待望の「深夜発早朝着新幹線」であり、前回は発売15分で満席となった。報道によると、女性客が全体の約4割を占めたという。ニュース番組でインタビューに応えた乗客の中に、女性グループや家族連れもいた。もちろん夜行バスを見れば女性客も多いし、需要があることもわかるが、SNSでは男性の鉄道ファンの反響が多かったため、筆者にとって意外な結果となった。

意外といえば、報道では「2日間で完売」とされていて、筆者の「発売即完売」という感想とは異なる。この時間差についてもJR東海に質問したところ、「女性専用車両の売れ進みは混乗車両にくらべて遅かったけれども2日で完売しました」との回答だった。もちろん「2日間で完売」も凄まじい売れ行きである。JR東海ツアーズで販売され、会員登録が必要だったため、男性で登録した筆者には混乗車両のみ表示されたということだろう。

第2回運行では、女性専用車両を設定していない。これについてもJR東海に質問したところ、「前回の下り設定時にパートナー、お子様と一緒にご利用されるお客様も一定数いらっしゃったことから、今回は性別による専用車両を設けず、様々なグループのお客様にご利用いただける販売方法を検証します。これにより、今後もより良いサービスを提供していくための検討を進めていきたいと考えています」との答えが返ってきた。

いわゆる「すやすやタイム」も含め、運行中は車内照明を暗くしないため、通常の日没後の列車と同じという考え方のようだ。女性専用車両のほうが安心と考える人もいると思うが、「女性専用車両を設けるという方法ではなく、乗務員等による車内巡回の頻度を確保し、お困りの際に係員へご相談いただける体制を整え、安心してご利用いただけるような体制を計画」しているとJR東海は説明する。

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アンケート調査を反映して改善しつつ、運行を継続する

第2回運行では、新たに名古屋駅での乗車が設定された。通常、名古屋駅から新横浜駅まで「のぞみ」で1時間以上かかる。早朝の名古屋駅で始発の「のぞみ」に乗った場合、7時45分に新横浜駅へ着く。一方、今回の「東海道ルミエールエクスプレス」は約6時間の睡眠時間を確保しつつ、始発の「のぞみ」より約1時間早く新横浜駅に到着できる。上りの運行実績で手応えがあれば、次回は下りでも名古屋駅停車が実現するかもしれない。

第1回の運行時、23時すぎに名古屋駅で運転停車し、岐阜羽島駅で長時間停車した後、翌朝6時44分に京都駅へ到着していた。現在、名古屋駅から京都方面の始発列車は下り「のぞみ101号」で名古屋駅6時20分発・京都駅6時54分着だから、差は10分しかない。しかし、名古屋近郊でも始発列車に間に合わないエリアの利用者など、需要は見込めるだろう。

JR東海は第1回運行でアンケート調査を実施し、第2回運行にあたって可能な限り改善したという。今回のユニークな点として、アイマスク、スリッパ、靴用脱臭乾燥剤の配布が挙げられる。新大阪駅から東京駅まで、普通車を利用した場合の旅行代金は前回より2,000円高くなるが、配布物があるので割高感は小さい。

さらに今回、C席(3人掛け座席の通路側)の設定が加わった。前回は満席だったこともあり、乗車希望者をできるだけ多く受け入れるため、販売座席数を増やしたものとみられる。

第1回運行では、窓側のA・E席のみ販売していたため、隣席が空いていれば広く使える可能性があった。それだけに、前回運行時に「A席を買えばB・C席を使って横になれたのに」という声は当然あっただろう。しかし、JR東海としては「1人1座席」のルールを崩してはいない。

一方で、7号車の「S Work Pシート」を利用した場合、B席のパーティションがあるため横になれず、他の号車のA席と比べて快適性に劣るという逆転現象も起きた。今回の「S Work Pシート」も横になれないが、C席が販売される分、本来の特徴である1.5席分の空間を確保できるし、隣席からの視線を気にせず過ごせるはず。「S Work Pシート」は「東海道ルミエールエクスプレス」においてもお得な設備になったといえる。

C席を設定したことへの評価はこれから

筆者が予約サイトを操作したところ、8月30日の時点でグリーン車は満席、普通車のE席(2人掛け座席の窓側)も満席だったが、3人掛けのA席とC席に空席が見られた。販売座席数が増えたことも一因と考えられるが、前回より満席となるまでに時間がかかっている。使用車両が前回と同じN700Aの場合、C席にコンセントがないという懸念もあるだろう。N700Sで運行し、全座席にコンセントがあると事前に案内できれば、安心して利用できそうに思える。

もっとも、2人で乗るならA・C席のほうがうれしいだろうし、4人グループならA・C席を2列分向かい合わせにして利用したほうが楽しいかもしれない。こうした利用者の動向も、今後の運行に向けて参考になるだろう。なお、JR東海によれば、車いすスペースのある11号車は「スタッフ用車両として割り当てている」ため選択できないが、「11号車のトイレは使用可能。車いすスペースについては、必要とするお客様にご用意できますようご案内をしております」とのことだった。

第1回運行は8月8~9日に行われた。その後、8月20日に第2回運行が発表されたが、前回から1カ月も経たないうちに次の運行が決定したことになる。「あらかじめ第2回の運行が決まっていたのでは?」と筆者は考えたが、JR東海はこの疑問に対し、「第一弾の反響を受け、シルバーウィーク期間中に設定可能か調整し、第二弾のご案内に至っております」と説明している。第1回運行からの改善点も含め、意思決定の速さに驚いた。

「東海道ルミエールエクスプレス」は、JR東海にとって東海道新幹線の新サービスを探る社会実験のようなものかもしれない。しばらく試行が続くことも考えられる。願わくは、多客期に設定された品川駅23時59分着の上り「のぞみ」や、新横浜駅6時3分発(同駅始発)の下り「のぞみ」のような頻度で定着してほしい。イベント的に消費され、早期に満席となるよりも、今回のように「必要な人が必要なタイミングで乗れる」運行形態が良いと思う。

なお、9月5日の時点で「受付期間終了」と表示されており、発売から2週間程度で受付締切は優秀だと思う。前回はキャンセル待ち受付もあったので、乗りたい人は販売サイトをときどき確認してみると良いかもしれない。