PayPay「100億円キャンペーン」は孫正義の「上等だよ」から生まれた狂気の戦略
PayPay100億円キャンペーン 孫正義の狂気の戦略

PayPayが仕掛けた「100億円キャンペーン」は、日本のキャッシュレス決済市場を根本から変えた。このキャンペーンを境に、コード決済の金額は2018年の0.2兆円から2024年には13.5兆円にまで拡大した(経済産業省調べ)。従来はFeliCa方式が主流だった市場に、QRコード決済という「超ローエンド」な技術が、「圧倒的に手軽で便利」という民意を背景に、力ずくで市場を開拓したのだ。

孫正義氏の「上等だよ」が現実に

ソフトバンクグループの孫正義氏は当時、「上等だよ、どっちかが潰れるまでやってやるよ」と語っていた。この言葉は数年後、予想外の形で現実となる。2023年10月1日、ヤフーの親会社であるZホールディングス、ヤフー、LINEなどのグループ企業5社が合併を含む再編を実施し、「LINEヤフー株式会社」が誕生した。キャッシュレス市場で死闘を繰り広げた両社が統合したのである。

PayPay上場、時価総額約2兆円に

そして2026年3月12日、PayPayは米NASDAQ市場に上場を果たした。時価総額は約2兆円に達した。この「辺境の小国」と呼ばれた存在は、わずか数年で巨大企業へと成長した。中国視察で「おばあちゃんでもキャッシュレス」な光景に衝撃を受けてから10年。多くのプレーヤーの思惑と野望、狂気が渦巻いた「キャッシュレス戦国時代」は、ヤフーとLINEの経営統合、そしてPayPay上場という形で一旦終止符が打たれた。

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次なる章:ステーブルコインの時代へ

しかし、この壮大なドラマはすでに次なる章へと歩み始めている。その主人公は、仮想通貨(暗号資産)が切り拓いた世界から登場した、法定通貨の価値に裏打ちされた「ステーブルコイン」だ。この新たな物語がどのような結末を迎えるのか。時間はかかるかもしれないが、51歳の筆者がこの目で見届けられる未来には実現するだろう。

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