米国がEV転換を加速、2030年までに新車販売の50%目標
米国EV転換加速、30年までに新車販売50%目標

米国政府は8月5日、2030年までに新車販売の50%を電気自動車(EV)とする大統領令に署名した。バイデン大統領はホワイトハウスで声明を発表し、自動車メーカー大手であるゼネラルモーターズ(GM)、フォード、クライスラーの親会社ステランティスなどがこの目標に賛同したと明らかにした。

業界全体の協力を引き出す

この目標は、温室効果ガスの排出削減を目指すバイデン政権の気候変動対策の一環。ホワイトハウスによれば、GM、フォード、ステランティスは共同声明で、2030年までに新車販売の40~50%をEVにする目標にコミットすると発表した。また、これらの企業は、充電インフラの整備や消費者向けのインセンティブ拡大を政府に求めた。

バイデン大統領は演説で、「米国はEV市場で中国に遅れをとっており、この状況を変える必要がある」と強調。中国はすでに世界最大のEV市場であり、2020年のEV販売台数は約130万台に達している。米国では2020年のEV販売台数は約30万台と、全体の2%未満にとどまっている。

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排出ガス規制の強化も同時発表

大統領令と同時に、環境保護庁(EPA)は2026年までの自動車排出ガス規制の強化案を発表。これは、トランプ前政権下で緩和された基準を元の厳格な水準に戻すものだ。EPAの試算では、この規制強化により、2026年までに新車の平均燃費が約40マイル/ガロン(約17km/L)に向上し、累計で約2億トンのCO2排出削減が見込まれる。

バイデン大統領は「これにより、米国はクリーンエネルギー経済のリーダーとなり、新たな雇用を創出できる」と述べた。また、自動車業界の労働組合である全米自動車労働組合(UAW)も目標を支持し、「適切な政策と投資があれば、EV移行は労働者にとってチャンスとなる」との声明を発表した。

自動車メーカーの反応と今後の課題

フォードのジム・ファーリーCEOは「フォードはEVへの移行を加速する。マスタング・マッハEやF-150ライトニングの成功がその証拠だ」とコメント。GMのメアリー・バーラCEOは「GMは2035年までに新車販売をすべてEVにする計画だ」と述べ、今回の目標を上回る意欲を示した。

しかし、目標達成には多くの課題がある。充電インフラの整備が不十分で、特に都市部以外では充電ステーションの数が限られている。また、EVの価格は依然としてガソリン車より高く、バッテリーの原材料供給問題も懸念される。ホワイトハウスは、超党派のインフラ法案に約75億ドルのEV充電ステーション予算を盛り込んでおり、これが可決されればインフラ整備が進むと期待される。

この目標は法的拘束力はないが、自動車メーカーと政府の協調姿勢を示すものだ。今後、各州の規制や消費者の需要、技術革新が実際の普及率に影響を与えるだろう。

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