英国に中国製超小型EVが上陸
英国の電気自動車(EV)新興企業「ビーマック」は、中国で生産された超小型EV「チャンギ」を英国市場に初めて導入すると発表した。価格は約1万ポンド(約150万円)で、都市部での短距離移動に特化したモデルだ。
チャンギは全長約2.5メートル、全幅約1.2メートルと非常にコンパクトで、1回の充電での航続距離は約100キロメートル。最高速度は時速約80キロメートルに制限されている。英国では、軽自動車の区分に該当し、普通免許で運転可能だが、高速道路の走行は想定されていない。
背景と狙い
ビーマックは、都市部の交通渋滞や駐車問題の解決策として、この小型EVを位置付けている。同社の創業者であるマーク・スミス氏は「都市部では、大型車は非効率だ。チャンギは、ちょっとした買い物や通勤に最適な、手頃で実用的な選択肢を提供する」とコメントしている。
英国では、2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する方針が打ち出されており、EVへの移行が加速している。しかし、既存のEVは高価格帯が多く、普及の障壁となっている。ビーマックは、低価格帯のEVを投入することで、より幅広い層にEVを普及させたい考えだ。
課題と展望
チャンギは、中国の自動車メーカー「奇瑞汽車」の子会社が生産している。英国での販売は、2024年初頭から開始される予定で、まずはロンドンやバーミンガムなどの大都市を中心に展開する。
ただし、英国の道路事情や安全基準への適合が課題となる。ビーマックは、英国仕様に合わせた改良を施すとしている。また、充電インフラの整備も重要で、同社は家庭用コンセントでの充電が可能なことをアピールしている。
英自動車工業会(SMMT)のデータによると、2023年の英国における新車販売台数に占めるEVの割合は約16%で、前年から増加傾向にある。しかし、小型EVの市場はまだ小さく、チャンギがどの程度受け入れられるかは未知数だ。
競合と市場
英国市場では、すでにルノー「トゥイジー」やシトロエン「アミ」などの超小型EVが販売されているが、チャンギは価格面で競争力を持つ。一方で、航続距離や性能面での優位性は限定的だ。
ビーマックは、チャンギの販売を通じて、都市型モビリティの新しい選択肢を提供し、EV市場の裾野を広げたいとしている。同社は、将来的には英国での現地生産も視野に入れているという。



