トヨタ自動車の中国市場における電気自動車(EV)販売が、中国大手BYDに大きく遅れを取っている。2023年のトヨタの中国EV販売台数は約2万台と、BYDの約300万台の1/20以下にとどまり、市場シェアは急落した。
トヨタの中国EV戦略の誤算
トヨタは中国市場でEV投入を積極的に進めてきたが、消費者の支持を得られていない。2022年に発売したEV「bZ4X」は販売不振が続き、2023年の中国EV市場シェアは0.3%未満と推定される。一方、BYDは政府の補助金や自社開発のバッテリー技術を武器に、2023年には中国EV市場の約30%を占めるまでに成長した。
業界アナリストは「トヨタはハイブリッド車(HV)に注力しすぎた。中国市場ではEVシフトが加速しており、HVは過渡期の技術と見なされている」と指摘する。トヨタの中国販売全体も2023年に前年比1.7%減の約190万台と低迷。特にEVの不振が響いている。
BYDの躍進とトヨタの苦戦
BYDは2023年に世界で約300万台のEVを販売し、テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなった。中国市場では低価格帯から高級車まで幅広いラインアップをそろえ、2024年には高級EVブランド「仰望(U8)」も投入。一方、トヨタは中国でEV専用工場の建設を進めるが、生産能力はBYDに遠く及ばない。
トヨタの豊田章男会長は2024年1月のイベントで「EVは万能ではない」と述べ、多様な電動化戦略を強調したが、中国市場ではEVへの一本化が進む。中国自動車工業協会のデータによると、2023年の中国EV販売は前年比36%増の約950万台に達し、新車販売の約31%を占めた。
今後の展望と課題
トヨタは2024年から中国市場向けの新型EV投入を計画しているが、競争激化で巻き返しは容易ではない。特にBYDは価格競争力を強めており、2024年初頭には一部モデルを最大20%値下げした。トヨタは2026年までに中国でEV販売台数を年30万台まで引き上げる目標を掲げるが、達成には製品力と販売網の強化が不可欠だ。
「トヨタは中国市場の変化を過小評価していた。EVシフトに迅速に対応できなければ、シェア回復は難しい」と自動車業界コンサルタントは語る。一方、BYDは2024年に世界販売400万台を目指し、欧州市場への進出も加速している。トヨタの中国事業は岐路に立たされている。



