トヨタ自動車とホンダが、中国市場での電気自動車(EV)事業において協業を検討していることが明らかになった。両社はこれまで、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)で競合関係にあったが、EVシフトが加速する中国市場での生き残りをかけ、歩み寄りを見せる。
背景にある中国EV市場の激変
中国市場では、BYDや新興EVメーカーの台頭により、外資系自動車メーカーのシェアが急落している。2023年の中国新車販売に占めるEVの割合は約25%に達し、2024年には30%を超える見込みだ。トヨタの中国販売台数は2023年に前年比1.7%減の190万台、ホンダは10%減の123万台と苦戦している。
「中国市場は価格競争が激化しており、単独では開発費を回収するのが難しい」と業界アナリストは指摘する。両社はEVのプラットフォームやバッテリー調達で協力し、コスト削減を目指す。
協業の具体的内容
関係筋によると、両社は中国市場向けの小型EVの共同開発や、部品の共通化、生産工場の相互活用などを検討している。また、中国のバッテリーメーカーとの提携も視野に入れている。トヨタは2026年までに中国で10車種以上のEVを投入する計画で、ホンダも2030年までにEV比率を40%に引き上げる目標を掲げる。
「協業はまだ初期段階だが、両社のトップが直接協議している」と事情に詳しい人物は語る。トヨタの佐藤恒治社長とホンダの三部敏宏社長は、2024年初頭に会談し、協業の可能性について意見交換したという。
業界再編の兆し
今回の動きは、日本の自動車メーカーが中国市場で生き残るために、従来の競争から協調へと戦略を転換していることを示す。日産自動車もルノーとEV事業で提携しており、日本メーカー間の連携が加速する可能性がある。
一方で、協業には課題もある。両社の企業文化や開発プロセスの違い、知財の扱いなどが障壁となる可能性がある。また、中国市場に特化した協業が、他の地域での競争に影響を与えるかどうかも注目される。
トヨタとホンダの協業は、EV時代における日本メーカーの生き残り戦略の試金石となるだろう。今後の動向が、世界の自動車業界に与える影響は大きい。



