日産がEVからHVへ戦略転換
日産自動車が電気自動車(EV)販売の鈍化を受け、ハイブリッド車(HV)に注力する戦略に転換する方針を固めた。同社はこれまでEVに重点を置いてきたが、想定よりも販売が伸び悩んでいるため、HVのラインアップを拡充し、2026年度までに新型車を投入する計画だ。
EV販売目標を下方修正
日産は2030年度までにEVとHVを合わせた電動車両の販売比率を50%以上とする目標を掲げているが、EV単体の販売目標は下方修正する見通し。2023年度のEV販売台数は約14万台と、前年度比で減少しており、市場の需要変化に対応する必要に迫られている。
「EV市場の成長は予想よりも緩やかで、特に北米や中国での需要が鈍化している。一方でHVは安定した需要があるため、戦略を見直すことにした」と日産の広報担当者は述べている。
HVラインアップ拡充へ
日産は現在、HVとして「ノート e-POWER」や「キックス e-POWER」などを販売しているが、今後はさらにSUVやセダンなど幅広い車種にHVを展開する計画。2026年度までに新型HVを複数投入し、電動車両全体の販売を牽引する狙いだ。
また、日産はEV向けの新たなバッテリー技術の開発も継続するが、HV向けのパワートレインの改良にも注力する。同社は「お客様のニーズに合わせた柔軟な電動化戦略をとる」としている。
業界全体でEV戦略見直しの動き
日産の戦略転換は、自動車業界全体でEVシフトのペースが鈍化していることを反映している。米国や欧州でも、充電インフラの整備遅れやバッテリー価格の高止まりなどから、消費者のEV購入意欲が低下している。
トヨタ自動車やホンダなど他の日本メーカーも、EVだけでなくHVやプラグインハイブリッド車(PHV)など多様な電動車両を展開する戦略をとっており、日産の動きはこうした業界トレンドに沿ったものと言える。
日産は2023年度の連結営業利益が前年度比で減少する見通しであり、収益改善のためにも電動化戦略の見直しは不可避と判断した。今後の具体的な車種投入計画や販売目標の詳細は、2024年5月に発表する中期経営計画で明らかにする予定だ。



