電気自動車(EV)のパイオニア的存在である日産リーフの販売が低迷している。2023年度の国内販売台数は約1万2000台と、前年度から30%減少した。この数字は、EV市場全体の成長鈍化を象徴するものとして注目を集めている。日産自動車は2030年度までに新型EVを19車種投入する計画を掲げているが、リーフの販売不振は、同社の電動化戦略に黄信号をともす可能性がある。
リーフ販売低迷の原因
リーフの販売低迷の背景には、競合車種の台頭が挙げられる。トヨタのbZ4Xや、海外メーカーのテスラモデル3など、魅力的なEVが市場に投入され、リーフの相対的な魅力が低下している。また、リーフの航続距離は最新モデルで約400キロメートルと、競合に比べて見劣りする。さらに、急速充電規格「CHAdeMO」の採用が、海外規格「CCS」との互換性の問題を生み、充電インフラの面でも不利に働いている。
日産の電動化戦略と課題
日産は、2030年度までに電動化車両の販売比率を55%以上に引き上げる目標を掲げる。しかし、リーフの販売低迷は、この目標達成に影響を与える可能性がある。日産は2024年以降、新型EV「アリア」の生産を本格化させるが、アリアの販売がリーフの減少を補えるかは不透明だ。また、日産は2028年度までに全固体電池を搭載したEVの量産化を目指すが、技術開発の進捗が鍵を握る。
EV市場全体の減速
世界的にEV市場の減速が指摘されている。日本自動車工業会のデータによると、2023年の国内EV販売台数は約8万8000台と、前年比で約5%の増加にとどまった。これは、補助金制度の縮小や充電インフラの整備遅れが影響しているとみられる。特に、中国市場ではEV販売が急減速しており、世界全体のEV需要に陰りが見える。
日産の今後の戦略
日産は、リーフの販売低迷を受け、2024年以降にリーフの後継モデルを投入する計画を検討していると報じられている。また、日産は中国市場向けに低価格EVを開発し、新興国市場でのEV普及を加速させる方針だ。しかし、これらの戦略が奏功するかは、市場の反応次第である。日産の電動化戦略の成否は、今後のEV市場の動向を左右する可能性がある。



