日産とホンダ、EV向け電池で協業検討
日産自動車とホンダが電気自動車(EV)向け電池の共同調達や部品の共通化を検討していることが、複数の関係者の話で明らかになった。両社はEVシフトが加速する中で、コスト競争力を高めるために協業の可能性を探っている。具体的には、リチウムイオン電池の調達や駆動ユニットの共通化、生産ラインの効率化などが議論されているという。
背景にはEV市場の急拡大
世界のEV市場は急成長しており、2023年の世界販売台数は前年比35%増の約1400万台に達した。特に中国市場ではEV販売が急増しており、中国メーカーが低価格帯のEVを投入して存在感を高めている。こうした中、日産とホンダは単独では開発・生産コストの削減が難しいと判断し、協業に踏み切る模様だ。
両社は2024年3月期の連結決算で、日産が営業利益約5600億円、ホンダが約1兆2000億円と堅調だが、EV投資には巨額の資金が必要となる。日産は2030年度までにEV関連投資に2兆円を投じる計画で、ホンダも2040年までにEV・燃料電池車の販売比率を100%にする目標を掲げている。
協業の範囲とスケジュール
関係者によると、両社はまず電池の共同調達から始め、将来的にはモーターやインバーターなどの駆動ユニットの共通化も視野に入れている。また、生産拠点の相互利用や、共同開発の可能性も検討されているという。日産の内田誠社長とホンダの三部敏宏社長は2023年12月に会談し、協業の枠組みについて協議したとされる。
両社は2020年代後半までに具体的な成果を出すことを目標としており、2024年中にも基本合意に達する可能性がある。ただし、協業の詳細はまだ詰められておらず、競争法上の問題などもクリアする必要がある。
業界再編の動きも加速
自動車業界では、EVシフトに対応するための協業や再編が活発化している。トヨタ自動車は2023年にスズキ、マツダとEV向けソフトウエアの共同開発で合意。また、日産は仏ルノーとの資本関係を見直し、EV事業で新会社を設立するなど、生き残りをかけた動きが続いている。
今回の日産とホンダの協業は、日本の自動車メーカーがEV競争で生き残るための重要な一手とみられる。両社は従来、乗用車市場で競合関係にあったが、EV分野では協力することで、開発コストの削減や規模の経済を追求する方針だ。
専門家は「日産とホンダの協業は、日本の自動車産業の競争力維持に貢献するだろう。ただ、中国メーカーやテスラに対抗するには、さらに大胆な提携が必要かもしれない」と指摘している。



