日本の電気自動車(EV)市場が重要な岐路に立たされている。政府による購入補助金の段階的削減に加え、中国メーカーの低価格戦略が国内市場に波及し、国産自動車メーカーは対応を迫られている。
補助金削減の影響
経済産業省は2025年度からEV購入補助金を段階的に縮小する方針を示している。これまで最大85万円だった補助額は、2026年度には半減される見通しだ。この決定は、市場の自立を促す意図があるが、短期的には需要減退を招く可能性がある。
一方、中国のBYDや広州汽車などは、日本市場に低価格EVを投入し、シェアを拡大している。BYDの「ATTO 3」は約440万円からと、同等の国産車より100万円以上安い価格設定が話題を呼んだ。
国産メーカーの戦略
トヨタ自動車は、2026年までに新型EVを10車種投入する計画を発表。また、日産自動車は独自のバッテリー技術「ソリッドステートバッテリー」の量産化を進め、航続距離の延長を目指す。ホンダはGMとの提携を強化し、北米向けEVの生産を拡大する。
しかし、国内市場では充電インフラの整備が遅れており、急速充電器の設置数は欧州や中国に比べて見劣りする。政府は2030年までに充電器を30万基に増やす目標を掲げているが、現状は約3万基にとどまる。
専門家は「日本のEV市場は2025年が分水嶺になる」と指摘する。補助金削減と中国勢の攻勢により、国産メーカーは価格競争力と技術革新の両面で課題を抱える。一方で、環境規制の強化が進む中、EVシフトは不可避であり、各社の生き残りをかけた戦いが続く。



