EVシフトの陰で進むガソリン車部品の調達難リスク
EVシフトでガソリン車部品の調達難リスク

電気自動車(EV)への移行が加速する中、ガソリン車向け部品の調達難リスクが顕在化しつつある。部品メーカーがEV関連に生産をシフトする一方、ガソリン車向け部品の生産縮小や撤退が相次ぎ、供給不足や価格高騰を招く可能性が指摘されている。

部品メーカーの撤退が引き起こすサプライチェーンの分断

大手部品メーカーは、EV向けのモーターやバッテリー関連の生産に注力しており、ガソリン車向けのエンジン部品やトランスミッション部品の生産を段階的に縮小している。例えば、デンソーは2025年までにガソリン車向け部品の生産を30%削減する計画を公表。これにより、エンジン制御ユニットや燃料噴射装置などの供給が減少し、独立系の修理工場や中古車市場に影響が出始めている。

部品調達の困難は、修理費用の高騰にもつながる。日本自動車整備振興会の調査によると、2023年のガソリン車部品の平均価格は前年比12%上昇。特に、エンジン関連部品の価格上昇が顕著で、一部の部品では50%以上の値上がりも見られる。この傾向が続けば、古いガソリン車の維持費が増大し、廃車が促進される可能性がある。

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中古車市場への波及と消費者への影響

部品不足は中古車市場にも波及している。中古車販売大手のガリバーインターナショナルによると、2023年の中古車平均価格は前年比15%上昇し、特に10年超のガソリン車の価格上昇が顕著だ。これは、修理部品の調達難から、車両自体の価値が下がるのを懸念した買い控えが一因とされる。

「部品が手に入らなければ、修理できない車が増える。結果として、中古車の供給が減り、価格が高騰する悪循環に陥る」と、自動車アナリストの鈴木氏は指摘する。また、整備士の間では、特定の車種の部品が入手困難になり、整備を断るケースも増えているという。

自動車メーカーの対応と今後の見通し

自動車メーカーも事態を重く見て、対策を急いでいる。トヨタ自動車は、ガソリン車部品の安定供給を確保するため、部品メーカーとの長期契約を強化する方針。また、日産自動車は、部品の共通化を進め、複数車種で部品を共有できるようにする取り組みを加速している。

しかし、根本的な解決には至っていない。EVシフトの流れは今後も加速すると見られ、ガソリン車部品の生産縮小は避けられない。経済産業省は、部品供給の現状を把握するための調査を開始したが、具体的な対策はまだ示されていない。

消費者が取るべき対策

消費者にとっては、早期の対策が重要だ。まず、現在所有するガソリン車の部品在庫を確認し、長期的な維持計画を立てることが推奨される。また、中古車購入時には、部品の供給状況を事前に調べる必要がある。自動車評論家の山田氏は「部品供給が不透明な車種は避け、人気車種や汎用部品の多い車種を選ぶべき」と助言する。

一方で、EVへの買い替えも一つの選択肢だが、EV自体の価格高騰や充電インフラの整備状況を考慮する必要がある。政府はEV購入補助金を拡充しているが、ガソリン車ユーザーへの支援策は限定的だ。

ガソリン車部品の調達難リスクは、自動車産業全体の構造転換に伴う避けられない課題と言える。消費者、整備業界、自動車メーカーが協力し、持続可能な移行を目指すことが求められる。

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