電気自動車(EV)へのシフトが自動車産業に大きな変革をもたらしている。従来のエンジン車に比べ、EVは部品点数が約3分の1に減少するとされ、これによりサプライヤー(部品メーカー)は生き残りをかけた再編を迫られている。
部品点数減少がサプライヤーに与える影響
EVの部品点数は約2万点と、エンジン車の約3万点から大幅に減少する。このため、エンジンやトランスミッションなど、従来の主要部品を手掛けてきたサプライヤーは、事業の見直しを余儀なくされている。特に、エンジン関連部品の需要減少は深刻で、多くの企業がEV向け部品への転換や、M&Aによる規模拡大を模索している。
価格競争と技術革新の波
EV市場では、テスラや中国メーカーを中心に価格競争が激化しており、サプライヤーにもコスト削減圧力が強まっている。一方で、バッテリーやモーター、インバーターなど、EVの中核部品には高い技術力が求められる。このため、既存のサプライヤーは、研究開発投資の拡大や、異業種との連携を強化している。例えば、従来の自動車部品メーカーが、IT企業や素材メーカーと協業するケースが増えている。
再編の具体例と今後の展望
実際、国内外でサプライヤーの再編が相次いでいる。日本でも、デンソーやアイシンなど大手サプライヤーが、EV向け事業の強化や不採算事業の撤退を発表している。また、海外では、コンチネンタルやヴァレオなどが、事業ポートフォリオの見直しを進めている。アナリストは「今後5年で、現在のサプライヤーの3割が淘汰される可能性がある」と指摘する。
サプライヤーに求められる戦略
生き残りをかけて、サプライヤーは以下の戦略を迫られている。第一に、EV向け高付加価値部品への特化。第二に、ソフトウェアやシステムインテグレーション能力の強化。第三に、グローバルな生産・調達ネットワークの再構築である。特に、ソフトウェア定義車両(SDV)の台頭により、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの重要性が増している。
自動車産業全体への波及効果
サプライヤーの再編は、自動車産業全体の構造変化を加速させる。完成車メーカーは、サプライヤーとの関係見直しや、内製化の拡大を進めており、業界の川上から川下まで再編の波が広がっている。この流れは、雇用や地域経済にも影響を与えるとみられる。



