中国市場における電気自動車(EV)へのシフトが加速している。これにより、日本車メーカーは販売台数の減少に直面し、部品調達構造にも大きな変化が生じている。日本自動車工業会のデータによれば、中国での日本車販売台数は2023年に前年比で約15%減少した。この背景には、中国政府のEV普及政策と、地場メーカーによる低価格EVの投入がある。
日本車メーカーの苦戦
トヨタ、ホンダ、日産など主要日本メーカーは、中国市場でのシェア低下に悩んでいる。2023年の中国市場全体の新車販売は約2600万台で、そのうちEVが約25%を占めたが、日本車メーカーのEV比率は低く、全体の販売台数に占めるEVの割合は5%未満にとどまる。これに対し、比亜迪(BYD)などの中国メーカーはEVで急成長し、価格競争力を武器に市場を席巻している。
部品調達構造の変化
EVシフトは部品調達にも影響を与えている。従来のエンジン車では、日本部品メーカーはエンジンやトランスミッションなどの高度な技術で強みを持っていた。しかし、EVではモーターやバッテリー、インバーターなど、電動化部品の需要が高まり、日本部品メーカーは競争力の維持に課題を抱える。ある部品メーカーの幹部は「中国市場での受注減少が経営を圧迫している」と語る。
中国地場メーカーの台頭
中国地場メーカーは、政府の補助金や充電インフラ整備を背景に、EVの生産を拡大している。BYDは2023年に約300万台のEVを販売し、世界販売台数でテスラを上回った。また、上海汽車や吉利汽車などもEVラインアップを強化し、日本車メーカーとの競争が激化している。日本自動車部品工業会の調査では、中国市場向け部品売上高が2023年に前年比で10%減少した。
日本メーカーの対応策
日本メーカーは、中国市場での巻き返しを図るため、EV投入を加速している。トヨタは2024年に中国市場向け新型EVを投入する計画で、ホンダも2025年までに複数のEVモデルを投入する方針だ。また、部品メーカーも中国現地での生産体制を強化し、コスト競争力の向上を目指す。しかし、地場メーカーの勢いを止めるのは容易ではなく、日本メーカーの苦戦は続くとみられる。



