中国の電気自動車(EV)シフトが加速する中、大手自動車メーカーの部品調達戦略が従来の内燃機関(ICE)中心からEV向けに大きく転換している。業界関係者によると、この変化はサプライチェーン全体に波及し、部品サプライヤーは新たな技術対応を迫られている。
EV販売目標の引き上げ
複数の中国自動車大手は、2025年までに新車販売に占めるEVの比率を50%に引き上げる計画を公表している。これに伴い、エンジンやトランスミッションなどのICE部品の需要が減少する一方、バッテリーやモーター、インバーターといったEV向け部品の需要が急増している。
ある部品メーカーの幹部は「当社の受注構成は3年前と比較してEV関連が30%から70%に逆転した」と語る。この変化に対応するため、多くのサプライヤーが生産ラインのEV向け転換を進めている。
調達戦略の3つの変化
第一に、バッテリーセルの調達が重要課題となっている。中国ではCATLやBYDなどのバッテリーメーカーが市場を席巻しており、自動車メーカーは安定調達のため長期契約や共同開発を強化している。
第二に、軽量化素材の調達が拡大している。EVは航続距離向上のため車体軽量化が不可欠であり、アルミニウムや炭素繊維複合材料の需要が高まっている。
第三に、ソフトウェア関連部品の重要性が増している。自動運転機能やコネクテッド技術に対応するため、半導体やセンサーの調達が従来以上に戦略的になっている。
サプライヤーへの影響
こうした変化は中小部品メーカーに大きな試練をもたらしている。ある部品サプライヤーの社長は「EV向け部品の開発には多額の投資が必要で、資金力のない企業は淘汰される可能性がある」と懸念を示す。
一方で、新たなビジネスチャンスも生まれている。例えば、放熱部品や高電圧ケーブルなど、EV特有の部品を専門に手がけるスタートアップが台頭している。
今後の展望
中国政府は2030年までに新車販売の40%をEVとする目標を掲げており、調達戦略の転換はさらに加速すると見られる。業界アナリストは「部品調達のグローバルサプライチェーンが再編され、中国発の新たな標準が生まれる可能性がある」と指摘する。
自動車メーカーと部品サプライヤーは、この変革期にいかに適応するかが競争力の鍵を握っている。



