EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場の現実
EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場 (16.07.2026)

東南アジアの電気自動車(EV)市場で、中国メーカーの存在感が急速に高まっている。2023年の東南アジア主要国におけるEV販売台数は前年比で約2.5倍に拡大し、そのうち中国ブランドが約75%のシェアを占めた。特にタイでは、中国のBYDが販売台数で首位に立ち、日本メーカーを大きく引き離している。

タイ市場でBYDが首位、日本勢は苦戦

タイ自動車工業会のデータによると、2023年のタイ国内のEV販売台数は約7万6000台で、そのうちBYDが約3万台(シェア約40%)を占めた。一方、日本メーカーのトヨタは約3000台、日産は約2000台と、中国勢の後塵を拝している。タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、購入補助金や法人税減免などの優遇策を実施。これに中国メーカーが積極的に応じ、現地生産工場の建設も進めている。

インドネシアでも中国勢が攻勢

インドネシアでも同様の傾向が見られる。2023年のEV販売台数は約1万7000台で、中国の五菱汽車(Wuling)がシェア約50%でトップ。韓国のヒョンデが約30%で続くが、日本メーカーは存在感が薄い。インドネシア政府はニッケル資源を活用したEVバッテリー産業の育成に力を入れており、中国企業との連携を強化している。

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日本メーカーの遅れと課題

日本メーカーはこれまでハイブリッド車(HV)で東南アジア市場を席巻してきたが、EVシフトへの対応が遅れている。トヨタはタイでEV生産を開始したものの、販売台数は中国勢に遠く及ばない。専門家は「日本メーカーはHVの成功に固執し、EV戦略のスピードが遅すぎる」と指摘する。また、EVの価格競争で中国勢に劣ることも課題だ。BYDの「ATTO 3」はタイで約110万バーツ(約440万円)と、日本メーカーのEVより2~3割安い。

中国勢の強みと戦略

中国メーカーの強みは、政府の支援を受けた大規模生産によるコスト競争力と、バッテリー技術の優位性にある。さらに、東南アジア各国の政府と積極的に協力し、現地生産や充電インフラ整備を進めている。BYDはタイに年産15万台の工場を建設中で、2024年に稼働予定。また、インドネシアでも工場建設を検討している。

市場拡大と今後の展望

東南アジアのEV市場は今後も急成長が見込まれる。調査会社マークラインズによると、2030年には新車販売の約25%がEVになると予測される。これに対し、日本メーカーはEVラインアップの拡充と価格競争力の強化が急務だ。トヨタは2026年までに新型EVを10車種投入する計画だが、東南アジア市場で中国勢に対抗できるかは不透明だ。

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