東南アジアにおける電気自動車(EV)の販売が急速に拡大している。特にタイやインドネシアでは、中国メーカーが低価格帯のEVを投入し、市場シェアを大きく伸ばしている。一方、長年この地域で強みを発揮してきた日本メーカーは、EVシフトの遅れから苦戦を強いられている。
中国勢の攻勢
タイでは、中国のBYDや長城汽車が現地生産を開始し、価格競争力を強化。2024年のEV販売台数で上位を独占する勢いだ。インドネシアでも、五菱汽車や奇瑞汽車が政府のEV普及政策を追い風に販売を伸ばしている。中国メーカーの強みは、部品調達から生産までを自社で一貫して行うサプライチェーンの強さにある。
日本メーカーの課題
トヨタやホンダなど日本メーカーは、ハイブリッド車(HV)で高いシェアを維持しているが、EVではHVとの差別化や価格面で課題を抱える。特に、中国メーカーが投入する300万円以下のEVに対抗できるモデルが不足している。また、充電インフラの整備やバッテリーの現地生産でも後れを取っている。
- タイ市場:2024年のEV販売シェアで中国勢が約70%を占める。
- インドネシア市場:政府がEV購入補助金を導入し、中国勢の販売を後押し。
現地生産の重要性
東南アジア各国は、EV普及に向けて現地生産を優遇する政策を打ち出している。タイは「EV3.5」政策で完成車メーカーに補助金を提供し、インドネシアはバッテリー原料であるニッケルの国内加工を促進。中国メーカーはこれらの政策に迅速に対応し、工場建設を加速している。
日本勢の巻き返し
日本メーカーも巻き返しを図る。トヨタはタイでEVの現地生産を計画し、ホンダはインドでEV専用工場を建設中だが、東南アジアでの具体的な戦略はまだ不透明だ。また、日産は中国メーカーとの提携を模索するなど、新たな動きも見られる。
東南アジアのEV市場は、2025年以降さらに拡大すると予測される。中国メーカーの勢いは当分続くとみられ、日本メーカーは価格競争力と現地適応力をいかに高めるかが問われている。



