世界的な電気自動車(EV)シフトが加速している。2023年の世界のEV販売台数は前年比35%増の約1400万台に達し、新車販売に占める割合は18%に上昇した。特に中国市場の伸びが顕著で、世界販売の約6割を占める。一方、日本のEV普及率は2%台と低迷しており、競争力強化には電池調達が重要な鍵を握る。
中国が市場をけん引、欧州・米国も拡大
中国では、BYDや上海汽車など地元メーカーが低価格帯から高級車まで幅広いラインアップをそろえ、2023年のEV販売台数は約800万台に達した。政府の補助金や充電インフラ整備も追い風となり、新車販売に占めるEV比率は25%を超える。欧州連合(EU)では、2035年までのガソリン車新車販売禁止目標を掲げ、販売台数は約300万台(シェア約20%)に拡大。米国ではインフレ抑制法(IRA)による税優遇措置が需要を刺激し、約140万台(シェア約8%)と前年比50%増となった。
日本は出遅れ、電池調達が課題
日本のEV普及率は2023年で2.2%と主要国で最低水準。充電インフラの不足や車両価格の高さに加え、国内自動車メーカーの戦略の遅れが指摘される。トヨタ自動車はハイブリッド車(HV)に注力してきたが、2026年までにEV販売150万台目標を掲げ、巻き返しを図る。しかし、EVの心臓部である電池の調達が課題だ。現在、世界の電池生産は中国に約7割が集中。日本は韓国や米国との連携を強化し、サプライチェーンを多様化する必要がある。
電池調達の多様化と技術革新
日産自動車は、独自の全固体電池の量産化を2028年度に目指す。ホンダは米国で電池工場を建設中。また、パナソニックエナジーは北米で電池生産能力を拡大している。日本政府も、蓄電池の国内生産基盤強化に向け、2023年度補正予算で約3300億円を計上。経済産業省の担当者は「EV競争に勝つには、電池の安定調達が不可欠。官民一体で取り組む」と話す。一方、中国メーカーはリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)の低コスト化で優位に立ち、日本勢は高エネルギー密度の三元系電池や全固体電池で差別化を図る。
今後の展望と日本の戦略
国際エネルギー機関(IEA)は、2030年の世界のEV販売台数を約4000万台と予測。市場拡大に伴い、電池需要はさらに高まる。日本自動車工業会の幹部は「日本メーカーはHVで培った電動化技術を生かし、EVでも競争力を発揮できる。電池調達とコスト低減が急務だ」と指摘する。日本がEV市場で存在感を示すには、技術革新とともに、資源国との提携やリサイクル技術の確立が欠かせない。



