EV販売低迷で欧州自動車大手が戦略転換、中国勢の台頭が脅威に
EV販売低迷で欧州自動車大手が戦略転換、中国勢台頭

欧州の自動車大手が電気自動車(EV)販売の低迷を受け、戦略転換を迫られている。2024年の欧州におけるEV販売台数は前年比で約10%減少し、市場の成長鈍化が顕著となっている。特に、中国勢の台頭が欧州メーカーにとって大きな脅威となっており、各社は生産調整や価格戦略の見直しを迫られている。

フォルクスワーゲン、EV生産を一部縮小

フォルクスワーゲン(VW)は、主力EVモデル「ID.3」の生産をドイツのツヴィッカウ工場で減産する方針を発表した。同社の広報担当者は「需要の変動に対応するため、生産計画を柔軟に調整している」と説明する。VWは2025年までにEV販売でテスラを追い抜く目標を掲げていたが、現状では達成が困難な見通しだ。

フォルクスワーゲングループ全体の2024年第1四半期のEV販売台数は、前年同期比で約3%減の約15万台にとどまった。同社は2024年のEV販売目標を当初の100万台から80万台に下方修正している。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

メルセデス・ベンツ、価格競争に巻き込まれる

メルセデス・ベンツもEV販売の低迷に直面している。同社のEV販売は2024年第1四半期に前年同期比で約8%減少した。同社は高級EV市場での優位性を維持しようとしているが、テスラや中国のBYDなどの低価格攻勢に押されている。

メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは「EV市場は予想以上に厳しい競争環境にある。コスト削減と価格戦略の見直しが急務だ」と述べている。同社は2024年にEVの価格を最大10%引き下げる計画を発表したが、利益率の低下が懸念されている。

中国勢の台頭が欧州メーカーを脅かす

欧州自動車メーカーにとって、中国勢の台頭は深刻な脅威となっている。BYDは2024年第1四半期に欧州で約2万台のEVを販売し、前年同期比で約3倍の成長を遂げた。また、上海汽車(SAIC)傘下のMGも欧州での販売を拡大しており、低価格帯のEVでシェアを伸ばしている。

欧州委員会は中国製EVに対する反補助金調査を開始しており、追加関税の可能性も取り沙汰されている。しかし、欧州自動車大手の間では、関税だけでは中国勢の勢いを止められないとの見方が広がっている。

各社の対応策と今後の見通し

欧州自動車大手は、EV戦略の見直しを迫られている。ステランティスは2024年に欧州で販売するEVの価格を平均5%引き下げると発表した。また、ルノーはEVのコスト削減のため、中国の部品メーカーとの提携を強化している。

一方で、欧州自動車メーカーは内燃機関車の販売にも注力せざるを得ない状況だ。VWはガソリン車とディーゼル車の生産を継続し、利益を確保しながらEVへの移行を進める方針を示している。

市場調査会社IHSマークイットのアナリストは「欧州自動車メーカーは、EVシフトのペースを現実的なものに調整する必要がある。中国勢の台頭により、競争はさらに激化するだろう」と指摘している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ