ペルーの首都リマで、中国製の電気自動車(EV)をタクシーとして使用する動きが急速に拡大している。低価格を武器にした中国メーカーのEVが、長年タクシー市場を支配してきた日本車のシェアを脅かし始めている。
中国製EVタクシーの台頭
リマ市内では、BYD(比亜迪)のEVタクシーが目立つようになった。BYDは2023年にペルー市場に参入し、すでに数百台のEVタクシーが走っている。現地のタクシー運転手によると、ガソリン車と比較してランニングコストが約70%削減できるという。
ペルー運輸通信省のデータによれば、2024年上半期に新たに登録されたタクシーのうち、EVの割合は前年同期の5%から15%に増加した。この急増の背景には、中国製EVの価格競争力がある。
日本車シェアへの影響
ペルーのタクシー市場では、トヨタや日産などの日本車が長年高いシェアを誇ってきた。しかし、中国製EVの攻勢により、日本車の販売台数が減少し始めている。2023年の日本車の販売台数は前年比8%減となり、特にタクシー向けの販売が落ち込んだ。
現地の自動車ディーラーは「中国製EVの価格は日本車のガソリン車より3割ほど安く、燃費コストも低い。運転手たちは経済性を重視して乗り換えている」と指摘する。
政府のEV推進政策
ペルー政府は、2025年までに公共車両の20%をEVにする目標を掲げ、税制優遇措置を導入している。これにより、タクシー事業者のEV導入が加速している。
ペルーエネルギー鉱山省の担当者は「EV普及は環境目標達成に不可欠だ。中国製EVは価格面で優位性があり、普及を後押ししている」と述べた。
日本メーカーの対応
一方、日本メーカーもEV投入を加速している。トヨタは2024年にペルーでbZ4Xを発売予定だが、価格は中国製より高い。日産もリーフを販売するが、販売台数は限定的だ。
業界関係者は「日本メーカーがこのまま対応を遅れれば、ペルー市場でのシェア低下は避けられない」と警鐘を鳴らす。
ペルーのタクシー市場で始まったこの変化は、他の南米諸国にも波及する可能性があり、日本車の世界的な競争力に影響を与えるかもしれない。



