中国の電気自動車(EV)メーカーが日本市場への攻勢を強めている。日本自動車販売協会連合会のデータによると、2024年上半期(1-6月)の日本国内におけるEV販売台数は前年同期比25%減の約2万5000台と低迷。一方、中国製EVの輸入台数は前年の約3倍に急増し、市場シェアを拡大している。
日本市場の現状と中国勢の台頭
日本政府は2035年までに新車販売を全て電動車にする目標を掲げているが、EV普及は遅れている。2023年のEV販売シェアは約2.2%と、中国(約25%)や欧州(約15%)に大きく水をあけられている。背景には充電インフラの不足や、国産メーカーのEV投入の遅れがある。
一方、中国のEVメーカーは価格競争力を武器に日本市場に参入。BYDは2023年に日本で約1500台を販売し、2024年には倍増を見込む。同社は「日本市場は品質基準が厳しいが、当社のEVは世界最高水準の安全性と性能を備えている」(BYDジャパン広報)と自信を見せる。
国産メーカーの苦戦
トヨタや日産など国産大手はEVシフトに消極的とされ、特にトヨタはハイブリッド車(HV)に注力してきた。しかし、世界市場ではEVシフトが加速し、日本メーカーの存在感が低下。2023年の世界EV販売でトヨタは10位にも入らず、中国メーカーが上位を占めた。
日本自動車工業会の試算では、2030年に日本のEV市場規模は50万台に拡大する見通し。しかし、中国勢の攻勢により、国産メーカーのシェアは現在の90%超から70%程度に低下する可能性があると指摘する。
政府の対応と課題
経済産業省はEV普及促進のため、充電インフラ整備に2024年度予算で約1000億円を計上。また、2030年までに充電器の設置数を30万基に倍増する目標を掲げる。しかし、専門家からは「中国勢の低価格EVに対抗するには、国産メーカーの競争力強化が急務」との声が上がる。
日本総合研究所の調査によると、日本メーカーのEV開発投資額は中国勢の約3分の1にとどまる。同研究所の主任研究員は「日本メーカーはHVで稼いだ資金をEVに振り向けるべきだが、経営陣の判断が遅れている」と指摘する。



