中国の電気自動車(EV)メーカーが欧州市場で存在感を急速に高めている。低価格帯から高級車まで幅広いラインアップと、バッテリー技術などの優位性を武器に、従来の欧州自動車大手に挑戦状を突きつけている。
中国勢の攻勢
BYD(比亜迪)や上海汽車集団(SAIC)傘下のMGなど、中国勢のEV販売台数は欧州で急増。2023年には欧州市場での中国製EVのシェアが約8%に達し、前年の約3%から大幅に拡大した。価格面では、欧州ブランドの同等車種より20~30%安いモデルもあり、消費者にとって魅力的な選択肢となっている。
技術面での優位性
中国メーカーはリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)の採用でコスト削減を実現。航続距離や充電速度でも欧州勢に引けを取らない製品を投入している。また、スマートフォン連携や自動運転技術など、ソフトウェア面でも先進的な機能を搭載。特に若い世代を中心に支持を集めている。
欧州メーカーの対応
フォルクスワーゲン(VW)やステランティスなど欧州大手は、中国勢の台頭に対抗するため、EVラインアップの拡充や価格引き下げを進めている。VWは2025年までにEV販売比率を20%に引き上げる計画。また、欧州連合(EU)は中国製EVに対する補助金の調査を開始し、不当な優遇措置がないか監視を強めている。
課題と展望
中国メーカーにとって、欧州でのブランド認知度向上や充電インフラの整備が課題。一方で、EUの炭素排出規制強化はEVシフトを後押しし、中国勢にとって追い風となる。専門家は「2025年までに中国製EVのシェアが15%を超える可能性がある」と予測。欧州市場の競争はさらに激化しそうだ。



