中国の自動車メーカーが電気自動車(EV)を武器に、欧州市場での存在感を急速に高めている。2023年の中国勢の欧州での販売台数は約30万台と、前年から約2倍に拡大。特にBYDや吉利汽車などが低価格帯のEVを投入し、欧州の地場メーカーに脅威を与えている。
BYDが欧州で攻勢
BYDは2023年、欧州で約1万5000台を販売し、前年の約5倍を達成。同社は2024年にハンガリーに工場を建設する計画で、現地生産によるコスト削減と供給網の強化を目指す。また、吉利の子会社であるポールスターやボルボも欧州で販売を伸ばしており、中国ブランドの認知度が向上している。
欧州メーカーの反応
欧州自動車工業会(ACEA)の担当者は「中国メーカーの低価格戦略は、欧州のEV市場に価格競争をもたらしている」と指摘。一方、フォルクスワーゲンやステランティスは、中国製EVに対抗するため、自社のEVラインアップを拡充し、生産コスト削減に取り組んでいる。特にフォルクスワーゲンは、中国市場でのシェア低下を受けて、欧州での競争力強化を急いでいる。
規制と関税の壁
欧州連合(EU)は、中国製EVに対する補助金の調査を開始しており、関税引き上げの可能性も取り沙汰されている。中国商務省の報道官は「公平な競争環境を求める」と述べ、EUの動きに懸念を示した。しかし、中国メーカーは欧州での現地生産を進めることで、関税リスクを回避しようとしている。
今後の展望
市場調査会社IHSマークイットによると、中国メーカーの欧州におけるEVシェアは、2025年までに10%を超える可能性があるという。欧州の自動車業界は、中国勢の台頭に対応するため、技術革新とコスト競争力の両立が求められている。



