中国製電気自動車(EV)用バッテリーの日本市場におけるシェアが急速に拡大している。2024年には約35%だったシェアが、2025年には50%を超える見通しであることが、業界団体の調査で明らかになった。
日本市場における中国製バッテリーの躍進
日本自動車工業会のデータによると、2024年の日本国内におけるEV用バッテリーの供給元のうち、中国メーカーが占める割合は約35%だった。しかし、2025年にはこの数字が55%に達すると予測されている。背景には、中国メーカーによる低価格戦略と技術力の向上がある。
特に、寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)などの中国大手バッテリーメーカーが日本市場で存在感を高めている。CATLは2024年に日本国内で自動車メーカー向けのバッテリー供給契約を複数獲得し、シェアを拡大した。
日本メーカーの苦戦と戦略転換
一方、パナソニックやGSユアサなどの日本メーカーは、中国勢の低価格攻勢に苦戦を強いられている。日本メーカーのバッテリーは高品質で知られるが、価格競争力で劣る。日本のある自動車部品メーカーの幹部は、「中国メーカーのバッテリーは性能面で日本製に匹敵し、価格は3割安い」と指摘する。
この状況に対応するため、日本の自動車メーカーは戦略の転換を迫られている。トヨタ自動車は2024年、次世代バッテリーの生産拡大を発表。日産自動車も2025年までに自社製バッテリーのコストを半減させる目標を掲げている。
政府の対応と産業への影響
日本政府はEVバッテリーの安定供給を重要課題と位置づけ、国内生産の強化を支援している。経済産業省は2024年度、バッテリー関連の補助金として約1,000億円を計上。国内のバッテリー生産能力を2030年までに現在の3倍に引き上げる目標を掲げている。
しかし、専門家からは「補助金だけでは中国勢に対抗できない」との声も上がる。東京大学の研究チームは、日本メーカーが競争力を回復するには、次世代技術への集中投資と国際協力が不可欠だと指摘する。
この動きは自動車産業全体に波及している。部品メーカーも中国製バッテリーの採用を検討するケースが増えており、サプライチェーンの再編が進むと予想される。



