EV販売鈍化で中国電池大手が生産調整、CATLとBYDが減産へ
EV販売鈍化で中国電池大手が生産調整、CATLとBYDが減産へ

中国の電気自動車(EV)市場の減速が鮮明になる中、世界最大の車載電池メーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)と、EV大手で電池も手がける比亜迪(BYD)が相次いで生産調整に踏み切った。業界関係者によると、CATLは2023年第3四半期の生産ラインの稼働率を60%未満に引き下げた。これは前年同期の80%超から大幅な低下である。BYDも一部の電池生産ラインを停止し、在庫調整を進めている。

EV販売の伸び悩みが背景

中国EV市場は2023年に入り、補助金縮小や需要の一巡により販売成長率が鈍化している。中国乗用車協会(CPCA)のデータによれば、2023年1~9月のEV販売台数は前年同期比で約25%増にとどまり、2022年の倍増ペースから減速した。これに伴い、電池メーカー各社は過剰在庫を抱え、生産調整を余儀なくされている。

CATLは世界の車載電池市場で約37%のシェアを占めるトップ企業であり、その生産調整は業界全体に影響を及ぼす。同社は2023年上半期の決算で売上高が前年同期比で約67%増加したものの、第3四半期の成長鈍化を予想していた。アナリストは「CATLの減産は、EV需要の減速がサプライチェーン全体に波及している証左だ」と指摘する。

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BYDも減産、垂直統合の課題

BYDはEV販売で中国首位を走る一方、自社で電池を生産する垂直統合モデルを採用している。しかし、2023年後半に入り、BYDのEV販売も伸び悩み、在庫調整が必要となった。同社は一部の電池工場で生産ラインを停止し、稼働率を70%程度に抑えていると報じられている。BYDの広報担当者は「市場の需要変動に応じて生産計画を柔軟に調整している」とコメントした。

BYDの電池部門は、CATLに次ぐ世界第2位のシェアを持ち、自社ブランド向けだけでなく、他社への供給も拡大中である。しかし、今回の減産は、EV市場の不透明感が強まる中で、垂直統合のリスクを浮き彫りにしたとの見方もある。

業界全体への影響と今後の見通し

CATLとBYDの生産調整は、リチウムやコバルトなどの原材料価格にも影響を与えている。炭酸リチウムの価格は2023年半ばから下落傾向にあり、9月には1トンあたり約20万元(約400万円)と、2022年のピーク時の半分以下に低下した。これは電池メーカーの収益を圧迫する一方、EVメーカーにとってはコスト低減につながる可能性がある。

また、中国の電池メーカーは欧州市場への進出を加速しているが、今回の減産が海外戦略に影響するかどうか注目される。CATLはドイツやハンガリーに工場を建設中であり、BYDもハンガリーに工場を計画している。業界アナリストは「短期的な生産調整はあっても、中長期的なEVシフトの流れは変わらない」と見ている。

中国政府はEV普及を引き続き推進しており、2023年9月の新エネルギー車販売台数は全体の約35%を占めた。しかし、補助金削減や競争激化により、市場の成長は持続可能なペースへと移行しつつある。CATLとBYDの動きは、この過渡期における業界の適応を示すものと言える。

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