EV販売鈍化で中国電池大手CATLの在庫急増、業績に黄信号
EV販売鈍化でCATLの在庫急増、業績に黄信号

中国の電気自動車(EV)用電池最大手である寧徳時代新能源科技(CATL)は、世界的なEV販売の鈍化により在庫が急増しており、業績に黄信号が灯っている。2024年第1四半期の在庫は前年同期比で約40%増加し、約800億元(約1.6兆円)に達した。これは、同社の生産能力が需要を上回っていることを示している。

在庫急増の背景

CATLの在庫増加は、中国国内のEV補助金縮小や欧州市場での需要減退が主な要因だ。中国汽車工業協会によると、2024年第1四半期の中国のEV販売台数は前年同期比でわずか10%増にとどまり、前年の30%超の成長率から大幅に鈍化した。また、欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税を検討していることも、CATLの輸出に影を落としている。

同社の広報担当者は、「市場環境の変化に対応し、生産調整と在庫管理を強化している」と述べている。しかし、アナリストからは「在庫の増加はキャッシュフローを圧迫し、収益性を悪化させる可能性がある」との指摘が出ている。

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業績への影響

CATLの2024年第1四半期の売上高は前年同期比で5%増の約900億元だったが、純利益は同3%減の約100億元に落ち込んだ。在庫評価損の計上も懸念されており、一部の証券会社は通期の利益予想を下方修正した。

一方で、同社は低価格帯のリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の生産を拡大し、コスト競争力を維持しようとしている。また、エネルギー貯蔵システム(ESS)市場への進出も加速しており、2025年までにESS向け電池の販売比率を20%に引き上げる目標を掲げている。

業界全体の課題

CATLの在庫問題は業界全体の構造的な課題を反映している。世界のEV電池市場は2023年に約1200億ドル規模に成長したが、2024年以降は需要の伸びが鈍化すると予測されている。調査会社SNEリサーチによると、2024年の世界のEV電池需要は前年比15%増の約900GWhと、前年の38%増から減速する見通しだ。

こうした中、CATLは韓国のLGエナジーソリューションやパナソニックなど競合他社との競争が激化しており、価格競争も収益を圧迫している。同社の株価は2024年に入ってから約15%下落しており、投資家の不安が広がっている。

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