マツダのSUV「CX-5」がフルモデルチェンジを遂げ、3代目に移行した。SUVでありながら走りにこだわるマツダらしいモデルだが、新型ではパワートレインから足回り、静粛性に至るまで大幅な進化を遂げている。新旧CX-5の違いを詳しく見ていこう。
パワートレインの変更:ディーゼル廃止とマイルドハイブリッド化
新型CX-5の最大の変更点は、パワートレインのラインナップだ。旧型(2代目)は、自然吸気2.0L、2.5L、2.5Lターボ、2.2Lクリーンディーゼルの4種類を用意していた。しかし新型は、2.5L直列4気筒直噴ガソリンエンジン(e-SKYACTIV G 2.5)に4.8kWのベルト駆動モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムの1種類のみとなった。最高出力は131kW(178PS)、最大トルクは237Nmを発生する。
新型は発進時や低速域でのピックアップが向上し、日常の扱いやすさが際立つ。燃費も15.2km/Lと、旧型ガソリン車の13.8km/Lから改善された。また、E10ガソリン(エタノール10%混合)に対応するなど、カーボンニュートラル燃料の普及も見据えている。
一方で、2.2Lディーゼルエンジン(SKYACTIV-D 2.2)がカタログから消えたことは惜しむ声も多い。旧型ディーゼルは最大トルク450Nmを誇り、4.0L~5.0Lガソリンエンジン並みの力強さと、16.6km/Lの優れた燃費で人気を博していた。今後のディーゼル代替として、2027年に登場予定のストロングハイブリッドモデルが待たれる。実際、新型マイルドハイブリッドに試乗した際、高速域や上り坂でわずかにトルク不足を感じる場面があったことも報告しておきたい。
乗り心地の劇的改善:硬さから快適へ
旧型CX-5のサスペンションは、タイヤを路面に強く押し付けるためにスプリングを強めに設定し、カーブでのロールを抑えたスポーティーな走りを実現していた。しかしその反面、後席の同乗者には硬く感じられることが多かったという。
新型では、乗り心地の硬さを解消すべく、ショックアブソーバーの径を太くし、減衰力の発生タイミングを早めた。これによりタイヤが路面を捉える力を早期に発生させ、コイルスプリングのバネ定数を低く(柔らかく)することで、路面からの突き上げを抑制。スタビライザーの特性も最適化し、コーナリング性能と全乗員の快適性を両立させた。実際に荒れた路面を走行すると、その効果は明瞭で、どのシートに座ってもフラットで上質な乗り心地を体感できる。
また、ステアリングの操舵力も見直され、低〜中速域では軽く、高速域では重くなるようチューニング。サスペンションの改良と相まって、街中から高速まで意のままに操れるハンドリング性能を実現した。
静粛性の大幅向上:高級セダン並みに
旧型、特にディーゼルモデルでは、静かになったとはいえ場面によってはディーゼル特有のノイズが室内に侵入することがあった。新型マイルドハイブリッドモデルは、バランスシャフトを採用した2.5Lガソリンエンジンの静粛性が高く、さらにサウンドチューニングにより高回転時のエンジン音がドライバーの気分を盛り上げる。
新型プラットフォームでは、音の侵入路となる「穴」を徹底的に塞ぎ、吸音材や減衰接着剤を広範囲に使用。エンジンルームからの透過音や、荒れた路面でのタイヤからの低周波音を効果的にカットしている。Aピラーやドアミラーの形状も工夫され、高速走行時の風切り音も低減。ノイズの発生源と侵入経路を徹底的に潰すことで、高級セダン並みの静粛性を手に入れた。
まとめ:新型CX-5は全方位で進化
新型CX-5は、ディーゼルを廃止しマイルドハイブリッドに一本化したことで環境性能を高めつつ、乗り心地と静粛性を大幅に改善。走りの楽しさはそのままに、より多くの乗員が快適に過ごせるSUVへと進化した。さらなる走りを求めるなら、2027年登場予定のストロングハイブリッドを待つのも一手だろう。



