日立、SI全工程にAI適用「Agentic AI Integration Platform」発表 最大240倍の効率化
日立、SI全工程AI化で最大240倍効率化

日立製作所は、エンタープライズ向けシステムインテグレーション(SI)の全工程にAIを適用した「Agentic AI Integration Platform」を発表した。このプラットフォームでは、部分的なコード生成にとどまらず、構想策定や要件定義から設計、開発、テスト、運用に至るSIの全工程に最適化されたAIエージェントを適用する。

最大240倍の効率化を実証

日立は、約1万5000件の顧客システムの開発で培った知見を生かし、拡大するモダナイゼーション(更新)需要に同プラットフォームを適用する。2027年度にはシステム開発全体で30%の生産性向上を目標としている。

背景には、優秀なエンジニアの不足や既存システムの複雑化、レガシーシステム更新需要の拡大がある。日立はこれまで、ミッションクリティカルシステム向けの開発基盤や生成AI開発のフレームワークを整備し、AIを活用したシステム開発を進めてきた。

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1万5000件の知見と最先端AIを融合

同プラットフォームは、グローバルのパートナーシップに基づくフロンティアAIと、日立グループが培ってきたミッションクリティカルシステム開発のノウハウ、さらにデジタルエンジニアリング企業のGlobalLogicのAI技術を組み合わせて活用する。AIを活用して高難度の課題解決を担うFDE(Forward Deployed Engineer)チームが、顧客の構想策定から開発、運用まで伴走。AIを活用したシステム開発やモダナイゼーションを支援する。

同プラットフォームでは、AI開発の安全性向上とコストの最適化を図る。米Anthropicや米OpenAI、米Google CloudなどのフロンティアAIを、用途に応じて選択できるエンタープライズAI基盤を整備した。

54%のトークンコスト削減と「暗黙知」の継承

基盤には、大規模システム開発向けの「Hitachi GenAI System Development Framework」や、アジャイル開発に適したGlobalLogicが提供するアジャイル開発向けAIツール「VelocityAI」を備える。セキュリティやコスト、信頼性などを管理統制する機能も搭載し、安全性を確保しながらAI開発を進められるようにした。VelocityAIとの連携環境では、AI単体で利用した場合と比べ、トークン利用料を最大54%削減したという。

また、顧客ごとの業務知識や判断基準などの暗黙知を「企業コンテキスト」として蓄積。日立がミッションクリティカルシステム開発で培った知見を集約したナレッジベースを備えている。

AIエージェントの継続的学習とOT分野への拡大

AIエージェントは、構想策定から開発、運用までの各工程で得られた情報を継続的に学習。ナレッジを自律的に更新することで、システム開発の品質や生産性を高める。さらに、高い信頼性が求められるOT(制御・運用技術)領域への適用に向け、制御システム向けコード生成基盤の開発も進めている。AnthropicのClaudeやOpenAIの最新モデルに対応し、社内での検証を開始した。

日立が同プラットフォームをまず自社内で使用して検証する「カスタマーゼロ」としての社内実践では、OT領域の実務者とIT部門がシステム画面仕様を確定する作業で最大240倍、自社パッケージ製品の機能拡張を対象とした仕様駆動開発の試行で約200倍の生産性向上を確認している。

今後の展開

日立は今後、金融や公共分野、エネルギー、鉄道など大規模レガシーシステムを抱える分野への展開を進め、AIを活用したシステム開発の適用領域を拡大する。システムの継続的な進化を通じて、顧客の競争力向上と持続的な成長に貢献していく。

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