Claude Coworkで「思ったのと違う」を解消、ゴールを渡す指示術
Claude Coworkで「思ったのと違う」を解消、ゴールを渡す指示術

Claude Coworkに仕事を任せても「思ったのと違う」成果物が出てくる場合、原因の多くはAIの性能ではなく、指示(プロンプト)の書き方にある。書籍『Claude Cowork スゴイ活用術』(著:AI部/マイナビ出版)は、細かい手順を指定するよりも、まず「ゴール」を渡す考え方を推奨している。

手順ではなくゴールを渡す発想

同書が最初に挙げるのは、作業手順を1ステップずつ指示するのではなく、「最終的に何を達成したいか」と「守ってほしい条件」を伝えることだ。手順はClaude Cowork自身に考えさせる。

手順を指定すると、Claude Coworkは「言われた通り」にしか動けなくなり、途中で気づいた改善点も活かせない。一方、ゴール・形式・判断ルールを伝えると、AIは自分で最適な手順を考えて実行する。AIの得意分野である「計画立案」を活かせるため、結果的に良い成果物が出るという。

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ゴールを渡すことは「手抜き」ではない。同書は、Anthropic公式による「ゴールデンルール」を判断の拠りどころとして紹介する。「そのプロンプトを、この業務の背景を知らない優秀な同僚に見せてみてください。その人が読んで理解できないなら、Claudeも理解できません」——これは「手順をすべて書け」という意味ではなく、業務の文脈・前提・判断ルールを言語化することを意味する。

指示を組み立てる5つの要素

同書は、どんな業務でも同じ順序で指示を組み立てられる「5ステップ型」を用意している。5つの要素は以下の通りだ。

  • ①ゴール:このタスクで最終的に何を達成したいか。書き忘れるとClaudeが的外れな方向に進む。
  • ②入力:何を材料に使うか(ファイル、データ、URL)。書き忘れると参照する場所がわからず止まる。
  • ③出力:何を成果物として受け取りたいか(形式、場所、名前)。書き忘れるとチャット欄に長文を吐き出して終わる。
  • ④制約:やってほしくないこと、必ず守ってほしいルール。書き忘れると望まない動きをする(勝手に削除など)。
  • ⑤進め方:どう進めてほしいか(段階・並列・承認)。書き忘れると複雑な作業で全部一気にやろうとして失敗する。

なかでも起点になるのが①のゴールだ。同書は、「作業」ではなく「成果」で書くことを勧める。例えば「Excelを作って」ではなく「支店別に売上を比較できるレポートを作って」といった具合だ。「誰が・いつ・何のために使うか」を含める(例:「部長への報告用に」「明日の会議で使うために」)ことも重要で、ゴールが曖昧だと他のステップを丁寧に書いてもズレが生じる。

残る「入力・出力・制約」を考える際は、前提・背景・成果物を意識すると要素を埋めやすくなる。前提は「なぜこの仕事をするのか」(例:「経営会議で使うので、経営層がひと目でわかる内容にしてほしい」)、背景は「関連情報は何か」(例:「前月のレポートと同じフォーマットで」「過去3か月分のデータと比較して」)、成果物は「何を・どんな形式で作るか」(例:「Excel形式で、グラフ付き、10枚以内」)だ。

毎回すべて埋める必要はない

5ステップは「必ず全部埋める型」ではない。同書は、迷ったとき、重要案件のとき、繰り返し使うプロンプトを設計するときの「型」として使うことを推奨する。単発の簡単なタスクなら「ゴール」だけでも十分動くという。

「最初から全部埋める」より、「まず最小限で試す → 物足りなければ足す」ほうが、実務的には速く・良いプロンプトが書けると同書は説く。良い指示とは手順を細かく指定することではなく、まずゴールと条件を共有することにある。

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次にClaude Coworkへ何かを頼むときは、いきなり手順を書き出さず、「誰が、いつ、何のために使う成果物か」を一文にしてみる。それでも思ったものが出てこなければ、入力・出力・制約・進め方のどれを書いていなかったかを振り返るための手がかりが5つの要素だ。

同書には、5つの要素を一つにまとめたプロンプトの完成例も掲載されている。ゴール(営業会議用の振り返り資料作成)、入力(実績データや前月資料)、出力(PowerPoint形式、保存先、ファイル名、構成)、制約(個人名を出さない、数値は実績データのみなど)、進め方(目次案→承認→本文執筆→グラフ挿入)を分けて書く形だ。手順は指定せず、判断の材料と枠だけを渡す——この形が「ゴールを渡す」指示の実物となる。