トヨタ自動車と出光興産は、水素ステーションの全国展開で協業し、2025年までに100カ所を新設する計画を明らかにした。政府が掲げる2030年までに水素ステーション300カ所の目標達成に向けた重要な一歩となる。
水素ステーション100カ所新設の詳細
両社は、大型トラック向けの水素供給網を優先的に整備する方針で、既存のガソリンスタンドや出光の拠点を活用する。2025年までに首都圏、中部、関西の主要幹線道路沿いを中心に設置を進め、その後全国へ拡大する。
トヨタは燃料電池車(FCV)の技術開発を進めており、2023年に発売した大型トラック「プロエース」の水素版を皮切りに、商用車向けFCVのラインアップを拡充する。出光は、製油所で生産する水素の供給能力を2025年までに現在の3倍に増強する計画だ。
政府目標と業界の動き
政府は2023年6月に改定した水素基本戦略で、2030年までに水素供給量を300万トンに拡大し、水素ステーションを300カ所に増やす目標を掲げている。現在、全国の水素ステーションは約160カ所にとどまっている。
トヨタの佐藤恒治社長は「水素社会の実現には、供給インフラの整備が不可欠。出光との協業で、商用車から水素需要を創出し、コスト低減を加速する」と述べた。出光興産の木藤俊一社長は「当社のネットワークと水素製造技術を活かし、トヨタとともに水素エコシステムの構築をリードする」とコメントした。
課題と今後の展望
水素ステーションの建設コストは1カ所あたり約4億円と高く、採算性が課題となっている。両社は、大型トラック向けの需要を見込み、2025年までにステーション稼働率を50%以上に高めることで、収益性を向上させる計画だ。
また、トヨタは2026年までにFCVの部品コストを半減し、車両価格を現在の700万円台から500万円台に引き下げる目標を掲げる。出光は、水素製造時のCO2排出を削減するため、CCS(炭素回収・貯留)技術の導入も検討している。



