シャープは7月15日、東京ビッグサイトで開幕した「熱中症対策展」(17日まで)に、開発中の「ウェアラブルクーラー」と「クーラーチェア」を参考出展した。基本は業務用だが、ウェアラブルクーラーは将来の一般向け販売も視野に入れている。開発を担当する水本歳延氏(シャープ、Smart Appliances & Solutions事業本部、事業戦略推進部)に話を聞いた。
冷却水を循環させて体を冷やす「ウェアラブルクーラー」
ウェアラブルクーラーは、いわゆる水冷服だが、非常に独自な形状をしている。頭からかぶると、首、脇、背中、腰といった体を効率的に冷やせる場所をピンポイントでカバーする形だ。中には冷水が流れるチューブが張り巡らされている。
首の部分から出ているチューブは、腰に装着する本体につながっている。本体は水を25~28度に冷やすための蓄冷材とポンプ、バッテリーなどを搭載し、重さは約2kg。
水本氏は「これまでの水冷服は『背負う』形が多かったのですが、腰に装着する形にして、冷却部を体に沿うデザインにしました」と話す。これにより「インナーで隠せます。あ、彼も今装着していますよ」と指差した先にはカジュアルなTシャツ姿の男性がいた。中に水冷服を着ているようには見えなかったが、スタッフがTシャツの裾から水冷チューブを引き出してニッコリ。冷却部を最低限の面積と厚さにすることで、異服に近い水冷服ができた。これなら熱中症の中でも、文字通り「涼しい顔で」おめかしできそうだ。
チューブを容易に外せるコネクター部分
首の部分に「PROTOTYPE 02」と書いてあるように、試作機としては2号機に当たるウェアラブルクーラー。初号機は他社と共同で検証を行っており、そこで得られた知見を2号機に反映した。
水本氏によると、今取り組んでいるのは本体部分の軽量コンパクト化と、冷却部分を「洗濯できる」ようにすること。製品化の時期は未定だが、「下着感覚」で使える水冷服を目指しているため、洗濯については外せないのだという。
クーラーチェアは本体がキモ
クーラーチェアは、椅子の座面と背もたれに冷却パッドを内蔵し、同様に水を冷却して循環させる仕組み。こちらも業務用として開発中で、屋外イベントや工事現場などでの使用を想定している。水本氏は「椅子に座るだけで体を冷やせるので、休憩時間の熱中症対策に効果的」と説明する。
両製品とも、まだ開発段階だが、熱中症対策展では多くの来場者が興味を示していた。シャープは今後も、暑さ対策技術の開発を進める方針だ。



