プロジェクトの特定工程に遅れが発生した場合、何日までなら許容できるのか。これはIT現場のプロジェクトマネージャー(PM)なら誰もが直面する典型的な悩みである。PMの使命は「目標スケジュールを守る」ことだが、実際には限られたリソースを最適配分するために、「遅れを許容できる作業のバッファ」を冷静に把握しておく必要がある。
クリティカルパスとアローダイアグラムの役割
この判断のカギとなるのが、クリティカルパスとアローダイアグラムである。ITパスポート資格の参考書『マンガでわかるITパスポート』(湊川あい著、マイナビ出版)の解説をもとに、プロジェクトスケジュールマネジメントの基本を整理する。
クリティカルパスとは、プロジェクト全体の最短完了日数を決める一連の作業経路のこと。この経路上の作業が1日遅れると、プロジェクト全体も1日遅れる。一方、クリティカルパス以外の作業には「余裕(フロート)」があり、その範囲内であれば遅れても全体に影響しない。
漫画で学ぶ実践的な判断例
同書の漫画では、PMケイタが作業の遅延を容認できる根拠をクリティカルパスに求めている。例えば、ある作業がクリティカルパス上になければ、その作業の遅れが全体スケジュールに影響しない限り、容認可能である。このように、アローダイアグラムを用いて作業の依存関係と余裕時間を可視化することで、PMは的確な判断を下せる。
アローダイアグラムは、作業を矢印で結び、先行関係と所要日数を示す図である。これにより、どの作業がクリティカルパスかを一目で把握できる。ITパスポート試験でも頻出のテーマであり、実務でも必須のスキルだ。
具体的な管理手法
プロジェクトスケジュール管理では、まずWBS(Work Breakdown Structure)で作業を細分化し、各作業の所要日数と依存関係を洗い出す。次にアローダイアグラムを作成し、クリティカルパスを特定する。そして、クリティカルパス上の作業を重点的に監視し、必要に応じてリソースを投入する。クリティカルパス以外の作業は、フロートを活用して柔軟に調整する。
例えば、ある工程で2日の遅れが生じても、その工程に3日のフロートがあれば、プロジェクト全体に影響はない。しかし、クリティカルパス上の工程で1日遅れると、即座に対策が必要となる。
まとめ:バッファ管理の重要性
PMは「遅れは厳禁」という固定観念にとらわれず、クリティカルパスとアローダイアグラムを活用して合理的に判断すべきである。同書では、漫画を通じてこの考え方をわかりやすく解説している。プロジェクトの成功には、スケジュール管理の基本を理解し、適切なバッファを設定することが不可欠だ。



