三菱UFJ銀行とJCBは、ASEAN地域における戦略的包括協業に関する基本合意書(MOU)を締結した。両社の顧客基盤や金融・決済ネットワークを活用し、ASEANでの事業拡大と新たな付加価値創出を目指す。
ASEAN富裕層向け最上位カードを展開
協業の柱の一つが、ASEANの富裕層向けカードの展開だ。JCBは海外発行のJCBカードの中で最上位となる新たなカードを発行する。三菱UFJ銀行の小森谷正敏取締役専務執行役員(グローバルコマーシャルバンキング部門長兼COO-I)は「ASEANでは富裕層市場が急速に拡大し、日本への関心も非常に高まっている。パートナーバンクを持つMUFGグループだからこそ実現できるサービスをJCBとともに提供し、日本とASEANを結ぶ新たな経済圏を築いていきたい」と述べた。
JCBの二重孝好代表取締役会長兼執行役員社長は「日本各地の本物の体験を厳選して、新しいプレミアムカードを通じて提供してまいります」と説明。単なる訪日客増加ではなく、高付加価値消費の流れを創出し、観光立国や地方創生への貢献を目指す考えを示した。
カード特典は「JCBザ・クラス」と同等
カードで提供する体験は、日本国内発行の最上位カード「JCBザ・クラス」と同等程度を想定。具体的には、銀座や京都のラウンジ利用、厳選レストランの早期予約・優待、ホテルのアーリーチェックイン・レイトチェックアウト、日本各地の祭りや花火大会の特別席、豪華列車「TRAIN SUITE 四季島」、神社仏閣での特別拝観などが挙げられる。
また、JCBが提携する全国99の金融機関ネットワークも活用。地方金融機関と連携し、酒蔵や温泉、地域ならではの特別な場所・体験を紹介し、日本各地の魅力をASEAN富裕層に届ける。二重氏は「日本人向けに作ったものが必ずしもそのまま海外のお客様に合うわけではない」と述べ、各国ニーズに合わせて事業会社や地方金融機関と新たなサービスを検討する方針を示した。
第1弾はインドネシア、その後タイで2027年度中にカードを発行予定。
デジタル決済分野でも連携
デジタル決済分野では、三菱UFJ銀行が出資するデジタル金融事業者とJCBの決済機能を組み合わせ、クロスボーダー決済やモバイル機能の拡充を検討。ASEANにおけるデジタル決済サービスの高度化と、金融サービス全体の利便性向上、新たなビジネス機会創出を目指す。
日本企業との連携拡大へ
両社は今回の協業を起点に、日本企業との連携も拡大する考え。金融・決済サービスにとどまらず、日本ブランドやサービスの価値をASEANへ展開し、新たなビジネス機会創出と日本のプレゼンス向上につなげる。今後は基本合意に基づき具体的なプロジェクトを進め、日本企業との協業を拡大し、ASEANにおける持続的な成長と新たな価値創造を目指すとしている。



