ホスト業界では、仕事とは関係なく女性などと関係を持つことを「趣味」と呼ぶらしい。その定義に従えば、私にとってコンビニ通いはまさに趣味だ。本来、食料や生活必需品の調達はスーパーで行うべきであり、地方の多くがイオンに支配されているのもそのためだ。しかし、生きるためだけならコンビニに立ち寄る必要はないのに、積極的に足を運ぶのはもはや趣味としか言いようがない。
なぜコンビニでの買い物は趣味なのか
日常の買い物をコンビニで済ませるべきでない理由はいくつかある。商品の種類が少なく、生鮮食品はほとんどない。そして何より、スーパーよりも割高だ。現在はコンビニ各社がプライベートブランドを展開し、価格差は縮まっているが、割引が当たり前のスーパーに対し、コンビニは定価販売というイメージが根強い。だが、それも昔の話。今ではコンビニも、イオンが後ずさりして後ろのハードオフが潰れるほどの狂った割引やキャンペーンを実施することがある。
私の地元のコンビニ勢力図は、ローソンとセブン-イレブンが拮抗している。ファミリーマートを見つけると「あ、ファミマだ」と声に出して言い、ミニストップのソフトクリームの話をされると如実に機嫌が悪くなる、という具合だ。ちなみに私の家から最も近いコンビニはローソンで、現在は「51%増量」というヤケクソなキャンペーンを実施中だ。51%増量とは、価格はそのままで量が51%増えるというもの。年々食が細くなっているのに体型が変わらず、歯茎だけがモデル体型の中高年としては、値段の方を51%減らしてほしいと思わないでもないが、実質的な割引だ。
カレーパンでメンチカツを挟む狂気
このキャンペーンで最もおかしいのは、カレーパンにメンチカツを挟んだという商品だ。想像するのは、カレーパンに切り込みを入れ、間にメンチカツを挟んだものだろう。それでも十分バカげているが、実際はメンチカツを「カレーパン2個」で挟んだ一品だ。それを聞いた時は、年内倒産を予定しているのかと思った。しかし、こうした無茶な増量は他のコンビニも行っている。買っても完食できないのは分かっているし、むしろカレーパン2つを夫と分け合い、中間のメンチカツを持て余すという、企画趣旨を完全無視した食べ方になることは分かっていたが、値段に対してバカな量が得だと思い、見かけたら買おうと考えていた。だが、私程度が考えることは皆も考えるもので、この商品は常に売り切れで、おそらく実物を見ることなくキャンペーンが終わりそうだ。
考えた人は名案と思っても、現場がカオスになりがちなお得案件。スムージーの値引きが7月11日に再実施されるそうだが、今度はアプリを提示して1つ買うごとに半額クーポンを配布する方式になるという。このように派手なキャンペーンを行うと、現場がものを売るレベルではなくなり、客がキャンペーンを享受できないばかりか、場が混乱に陥ることもある。
セブンのスムージー半額で大混乱
先日、我が村を仕切るコンビニ両雄の一角、セブン-イレブンが6月10日のスムージーの日を記念して、1日限定でスムージーを全品半額にしたそうだ。ミニストップのソフトクリームやハロハロといった幻獣しかり、独自のホットスナックやコールドスイーツを展開するコンビニは多い。スムージーもセブンの人気商品の一つだ。凍った野菜やフルーツが入ったカップをレジで購入し、店内に設置された専用の撹拌機でスムージーにして飲む仕組みだ。撹拌機は一店舗に大体一つで、スムージーが完成するまで約3分かかる。
何が起こったかというと、撹拌機の大行列だ。中には何をするつもりか、一人で30個も買う者も現れ、場は混乱を極めた。待っている間に冷凍が溶けて、スムージーではなくジュースになった者もいたのではないか。撹拌機は簡単に増やせず、1杯3分かかるところをキャンペーン中に巻きで2分にするわけにもいかない。こうした事態を想定せず、ただ値段を半額にしたセブンへの批判が相次いだ。コンビニ各社は、バカみたいなキャンペーンをやればバカがバカみたいに飛びつくという当たり前の現象をもっと考慮に入れて、バカをやるべきだろう。
ちなみに、待ち時間に耐えかねて、凍ったままのスムージーを持ち帰り、自宅のブレンダーでスムージーにした者もいたようだ。実は私も以前にそれをやったことがある。我が村は基本的に行列や混雑とは無縁だが、それでも花火大会が終わった後のコンビニはそれなりに混雑する。スムージーを購入したものの、撹拌機に3人ほど並んでいたので、秒で諦め、帰宅後ミキサーで砕いて飲んだ。盛況なのは良いが、世の中には「待つ」という行為が死ぬほどできない人間がいる。必要以上の混雑や行列を作るのはリスクと考えた方がいいだろう。



