裁判所がAI乱用の弁護士4人に制裁
ミシシッピ州の連邦裁判所は、民事訴訟において人工知能(AI)ツールを利用して架空の判例を引用した弁護士4人全員に制裁を科し、訴訟手続きを取り消した。この措置は、AIへの過度な依存が司法制度の信頼性を損なうとして注目を集めている。
連邦地方裁判所上級判事のシャリオン・エイコックは6月8日付の命令で、4人の弁護士が提出書面の内容が事実であると保証したことが連邦民事訴訟規則11条に違反すると指摘。「本件は、両当事者の弁護士が同様に制裁対象となる行為に及んだ点で、裁判所に異例の状況をもたらしている」と述べた。
2人の弁護士に2年間の出廷禁止
制裁の内容は厳しく、4人のうち2人はミシシッピ州北部地区連邦地方裁判所への出廷を2年間禁じられた。さらに全員が訴訟から外され、罰金も科せられた。この事件は、ルイジアナ州の弁護士トム・ウィザーズ3世が2023年に起こした契約違反訴訟に端を発する。ウィザーズは太陽光発電開発プロジェクトに関連し、ミシシッピ州アバディーン市から支払われるべき弁護士報酬を受け取っていないと主張していた。
ウィザーズ自身は懲戒処分を受けていないが、彼の代理人を務めたキャスリーン・M・ウィルソンとショーンシー・ハンター・リッジウェイの両弁護士、および市側の弁護士であるキャスリン・Y・ウィリアムズとマーク・マクリントンが処分の対象となった。
ウォール街のエリート法律事務所も謝罪
この問題は、ウォール街の大手法律事務所にも波及した。関係者の一部は、AIツールを盲信して使用した結果、虚偽の情報を裁判所に提出したことを認め、謝罪に追い込まれた。エイコック判事は、AIへの妄信を「とりわけ悪質」と批判し、弁護士としての注意義務を怠ったと断じた。
この事件は、司法、ビジネス、学術などの分野で、調査や文書作成におけるAI利用の難題を浮き彫りにしている。AIの利便性が高まる一方で、その出力を検証せずに使用するリスクが改めて認識された形だ。



