日立市のスタートアップ「KiAI(キアイ)」は2026年春、人工知能(AI)を活用して中小企業の海外展開を支援する新サービス「Trst(トラスト)」を開始した。
このサービスは、利用企業の分析から取引先候補のリストアップ、メール文案作成、現地市場調査までをAIが一括して実施。初回30分のミーティングで方向性を話し合い、その後2週に1回のペースで進展を確認する。従来は月145時間かかっていた作業が月1時間に短縮され、専門家を採用した場合の月約100万円のコストも15万円程度に抑えられるという。
代表の大場一雅氏は「技術力はあるが、海外への市場戦略が分からない中小企業の力になり、地方創生を実現させたい」と述べている。
現在の支援実績と事例
現在、トラストは7社を支援。産業機械メーカーの例では、AIが米国の取引候補企業114社をリストアップし、数社が関心を示して商談が実現した。商談成立後も貿易実務の専門家や金融機関の紹介など必要な支援を継続する。
大場代表の背景とKiAIの歩み
大場代表は元世界銀行グループのエコノミストとしてウズベキスタンで勤務。2023年9月に茨城県の「県北地域おこし協力隊」隊員に任命され、KiAIを創業。茨城大学の新納浩幸教授の監修のもと、2024年4月にビジネス情報配信サービス「KiAI」を開始。新興・途上国などのビジネス情報をAIで収集・分析し、中央省庁や大手商社、銀行などに提供してきた。この経験から中小企業のニーズを実感し、トラストを開発。必要に応じて世界のほとんどの国に対応可能という。
今後の目標
大場代表は「世界中の中小企業をつなげるプラットフォームを作りたい」と目標を語る。地方衰退と中小企業の収益力低下という国内課題の解決を目指し、日本の技術力を世界に売り込む挑戦が日立から始まっている。



