政府、AI分野で同志国と協力加速…米中依存脱却と新市場獲得へ
政府、AI分野で同志国と協力加速…米中依存脱却へ

政府は、欧州の同志国や新興・途上国「グローバル・サウス」などと人工知能(AI)分野での協力枠組み作りに乗り出した。AI開発で先行する米国や中国に過度に依存しないAIのサプライチェーン(供給網)を構築するとともに、日本の技術を世界に売り込んで新たな市場を獲得する狙いがある。

日仏ハイレベルAI対話を開始

日本とフランスの両政府は6月中旬、パリで「日仏ハイレベルAI対話」の初会合を開催した。高市首相とマクロン大統領が4月に合意した枠組みで、外務省や防衛省などの関係省庁幹部が出席し、デュアルユース(軍民両用)を含む技術協力のあり方について意見を交わした。ソフトバンクグループ(SBG)や新興企業サカナAIなど、日仏のAI企業関係者も招き、産官学連携や協業のあり方も議論された。

ミドルパワー連携で供給網構築

米中が巨額投資を背景にAI開発で先行するなか、日仏は、大国ほどの軍事力や経済力を持たない「ミドルパワー(中堅国家)」で連携し、AIに関する供給網の構築を目指すことで思惑が一致する。外務省によると、英国やグローバル・サウスの主要国であるインド、マレーシア、ブラジルとも協力枠組みの創設で合意している。

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インドとの協力進展

インドとは4月に「AI戦略対話」の初会合を開催したほか、今月2日の首脳会談ではAI人材の日本招聘や共同研究の推進などを盛り込んだ共同声明を発表した。

グローバル・サウス市場の開拓

成長著しいグローバル・サウスとの連携は市場拡大の商機ともなる。AIは英語や中国語に対応したモデルが主流となる中、グローバル・サウスでは自国の言語や文化を反映したAIモデルのニーズが高まっている。日本企業は高い日本語処理能力を持つモデルを開発しており、各国のニーズに応えながら開発を支援していくことを目指す。

中国の動きと経済安全保障

中国もグローバル・サウスへのAI輸出を試みている。中国産モデルは安価で高性能な反面、システムに入力された技術情報や機密データが中国側に蓄積・流出するリスクが指摘される。中国のナラティブ(言説)がAIを介して拡散される懸念も出ている。各国との協力枠組みでは、こうした経済安全保障や認知戦の観点からの対策も議論する。

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