Google、Gemini 3.6 Flash / 3.5 Flash-Lite / Cyberの3種、コスト最大65%削減と安全性向上
Google、Gemini 3.6 Flashなど3種を公開、コスト削減と安全性向上

Googleは2026年7月21日(現地時間)、大規模なAIエージェントの構築に必要な処理効率、応答速度、信頼性の向上を図り、新たな生成AIモデル「Gemini 3.6 Flash」と「Gemini 3.5 Flash-Lite」を公開した。サイバーセキュリティ分野に特化した「Gemini 3.5 Flash Cyber」も発表し、同社のコードセキュリティエージェント「CodeMender」と組み合わせて限定提供する。開発者はGemini API、Google AI Studio、Android Studioなどを通じて利用でき、企業や一般利用者にも順次展開する。

Gemini 3.6 Flash:低コスト化と性能向上を両立

Gemini 3.6 Flashは、従来のGemini 3.5 Flashを基盤に、コーディング、知識検索、画像や文書を含むマルチモーダル処理を強化した主力モデルだ。外部評価機関Artificial Analysisの指標において、3.5 Flashと比べて出力トークンの使用量を17%削減した。Datacurveのソフトウェア開発評価「DeepSWE」など、一部の実験では削減率が最大65%に達したとしている。複数の工程を含む処理でも、推論の段階数やツール呼び出し回数を抑えられると説明した。

利用料金は入力100万トークン当たり1.50ドル、出力100万トークン当たり7.50ドルに設定した。トークン使用効率の向上などにより、出力当たりのコストおよびタスク全体の費用を抑えた。AIエージェントが1つの作業を完了するまでに要する総費用を減らす狙いがある。

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性能評価において、DeepSWEの得点が3.5 Flashの37%から49%に上昇した。不要なコード変更や処理の反復を減らし、精度を高めたとしている。機械学習研究を評価する「MLE Bench」では49.7%から63.9%、コンピュータ操作能力を測る「OSWorld-Verified」では78.4%から83.0%に改善した。コンピュータ操作機能はGemini APIとGemini Enterpriseでクライアント側の組み込みツールとして利用可能となる。

知識検索の評価指標「GDPval-AA v2」において、3.5 Flashの1349に対し1421を記録した。法律業界のHebbiaとHarveyは、文書解釈、グラフやデータの分析、報告書作成などで高い能力を確認したとしている。

安全面において、化学、生物、放射線、核に関する危険利用と、攻撃的なサイバー行為への悪用を対象に、フロンティア安全対策を強化した。制限を回避する脱獄攻撃への耐性を高めるが、正当な用途を過度に拒否しないよう学習を施した。

Gemini 3.5 Flash-Lite:毎秒350トークンで3.5系最速

Gemini 3.5 Flash-Liteは、低遅延や大容量処理を重視する用途に設計した。エージェント型検索や文書処理など、高い処理能力が必要な開発作業を想定する。Artificial Analysisの計測では毎秒350出力トークンを処理し、Gemini 3.5系統で最高速とした。

料金は入力100万トークン当たり0.30ドル、出力100万トークン当たり2.50ドル。従来の3.1 Flash-Liteより品質を高め、処理量の多い商用サービスで価格性能比を改善した。用途に応じて思考量を調整でき、少ない思考量では大量の作業を低遅延・低費用で処理し、高い思考量では複数工程を担うサブエージェントの作業に対応する。コンピュータ操作機能も標準搭載した。

評価結果において、端末操作を伴う「Terminal-Bench 2.1」が31%から54%、長い文脈の理解を測る「GDM-MRCR v2」が60.1%から72.2%、GDPval-AA v2が642から1140に上昇した。SWE-Bench Proでは54.2%、OSWorld-Verifiedでは74.0%となり、Gemini 3 Flashの49.6%、65.1%をそれぞれ上回った。

Gemini 3.5 Flash Cyber:脆弱性の発見・修正に特化、提供は限定

Gemini 3.5 Flash Cyberは、3.5 Flashを基盤に、ソフトウェアの脆弱(ぜいじゃく)性発見と修正に特化して調整したモデルだ。大規模モデルより低いトークン単価で、セキュリティ上の問題を検出、検証し、修正案を作成する用途を担う。

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CodeMenderにおいて、複数の3.5 Flash Cyberエージェントを協調させ、1つの統合報告書を作成する。サイバーセキュリティ評価「CyberGym」で最先端水準に匹敵する性能を示したという。悪用にも転用可能な技術であるため、政府機関と信頼できる提供先に対象を絞り、近く限定試験として提供する。防御担当者が重大な脆弱性を攻撃前に発見し、修正する時間を確保しつつ、広範な悪用を防ぐ方針だ。

提供開始と今後の展開

3.6 Flashと3.5 Flash-Liteは発表日から利用可能となった。開発者はGemini APIをGoogle AI StudioとAndroid Studioから利用でき、3.6 FlashはGoogle Antigravityにも対応する。企業にはGemini Enterprise Agent Platformで提供し、3.6 FlashはGemini Enterpriseアプリにも搭載する。一般利用者はGeminiアプリから使える。3.5 Flash-LiteはGoogle検索への展開も始めた。

上位モデルのGemini 3.5 Proは提供先との試験段階にあり、準備が整い次第、広く提供する予定だ。次世代のGemini 4については、同社史上最大規模の事前学習を開始した。