AIが人間の思考を読む新技術、脳活動から文章を高精度に再現
AIが脳活動から文章を高精度に再現する新技術

脳活動から文章を読み解くAIシステム

米テキサス大学オースティン校の研究チームは、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて脳活動を測定し、そのデータから被験者が読んだり想像した文章を高精度に再現するAIシステムを開発したと発表した。この研究は、学術誌『Nature Neuroscience』に2023年6月22日付で掲載された。

研究チームは、3人の被験者がポッドキャストなどの音声を聞いている間の脳活動をfMRIで記録。そのデータをAIモデルに学習させ、脳活動パターンから対応する文章を生成できるようにした。さらに、被験者が頭の中で物語を想像した場合でも、同様の精度で文章を再現できることが確認された。

高い再現精度と今後の可能性

AIが生成した文章は、元の文章と意味的に非常に近い内容であり、専門家による評価でも高い精度が認められた。例えば、被験者が「私はまだコーヒーを飲んでいない」と聞いた場合、AIは「私はまだ朝のコーヒーを飲んでいない」と出力した。また、被験者が想像した内容についても、「彼女は彼に会うために駅に向かった」という思考から、「彼女は駅へ急いでいた」という文章を生成した。

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研究を主導したアレクサンダー・フース准教授は、「これは非侵襲的な方法で人間の思考を解読する画期的な成果だ」と述べている。ただし、現時点では各被験者ごとに長時間のfMRIデータが必要であり、実用化にはさらなる技術的進歩が求められる。

倫理的課題と応用分野

この技術は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や脳卒中などでコミュニケーションが困難な患者の支援に役立つ可能性がある。一方で、思考のプライバシーに関する倫理的問題も指摘されており、研究チームは「技術の悪用を防ぐためのガイドラインが必要だ」と警告している。

今後は、fMRIの代わりに携帯型の脳活動計測装置を使用できるかどうかが研究の焦点となる。実用化には数年から10年程度かかる見込みだが、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)分野における重要なマイルストーンとなることは間違いない。

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