在沖米海兵隊が沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ内の演習場で、小型ドローンの操縦訓練を実施した。約40センチ四方の機体は隊員が部品から組み立てたもので、1機当たりの費用は1千ドル(約16万円)以下。ウクライナ戦争で多用されている自爆型ドローンと同じタイプで、装甲車両1台を吹き飛ばす威力があるという。
隊員が自作する安価なドローン
訓練には迷彩服を着た若い海兵隊員ら20人ほどが参加。操縦者は装着したゴーグルで、ドローンの先端に搭載されたカメラの映像をリアルタイムで確認しながら、起伏に富む山間の約1キロのコースに沿って飛行させ、コース途中の約1平方メートルの狭い枠を通過させたり、周囲を旋回させたりしていた。
ドローンの表面には乱雑にテープが貼り付けられ、手作りの無線操縦の模型のように見える。実際、海兵隊員が部品をはんだ付けして組み立てたもので、市販の電化製品でも使われる簡単な部品から作られている。隊員は部品の故障に備え、3Dプリンターで新しい部品を作る訓練も受けたという。
長距離攻撃と費用対効果のメリット
訓練のインストラクター役を務める第3海兵遠征軍の遠征作戦訓練群の無人システム部門責任者、ブラント・ウェイソン少佐によると、この小型ドローンは約5ポンド(約2・3キロ)の爆弾を搭載でき、装甲車両1台を吹き飛ばす威力がある。
ウェイソン少佐は、海兵隊へのドローン導入には二つの大きなメリットがあると指摘する。一つ目は、長距離攻撃が可能となることだ。海兵隊員は銃や砲などの射撃で約2キロ先と交戦できるが、ドローンを使えば飛行可能な20キロほど先まで攻撃距離を飛躍的に伸ばせる。二つ目は、ミサイルと比べて費用対効果が極めて大きいことだ。実戦で用いる攻撃用ドローンの費用は2千ドル(約32万円)程度で済む一方、ミサイルは1発当たり数万~数十万ドル(数百万~数千万円)かかる。
ウェイソン氏は「戦域に敵の装甲車両1両があった場合、ドローン1機を送り込むだけで済む。火力の投入を節約できるし、より遠距離で攻撃の精度を高めることも可能となる」と語った。
国防長官の改革メモが契機
今回の訓練は昨年10月に始まった「基礎ドローン・オペレーター課程」の一環として実施された。受講すれば、自分でドローンを部品から組み立てて、一通りの操作ができるようになる。
訓練が始まったきっかけは、ヘグセス米国防長官が昨年7月に「米軍のドローン優位確立に向けた改革」と題したメモを発表し、海兵隊など各軍種に対して小型ドローンの導入と運用を急加速するよう指示を出したことにある。



