トヨタ自動車と日本電信電話(NTT)は、自動運転技術の進化に不可欠な次世代通信技術の共同開発で合意した。両社は、2025年までに実用化を目指し、超低遅延かつ大容量の通信基盤を構築する。
自動運転の実現には超低遅延通信が不可欠
自動運転では、車両と周辺インフラ、あるいは他の車両との間でリアルタイムに大量のデータをやり取りする必要がある。例えば、交差点での障害物検知や緊急ブレーキ情報の伝達には、ミリ秒単位の遅延が許されない。今回の協業では、NTTが持つ次世代光通信技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」を活用し、トヨタの車両制御技術と組み合わせることで、現在の5Gを超える超低遅延通信を実現する。
両社の役割分担と実用化への道筋
トヨタは、自動運転に必要な車載センサーや制御システムの開発を担当。NTTは、通信ネットワーク全体の設計と運用を担う。両社は、2023年度中に実証実験を開始し、2025年までに市街地での限定的なサービス提供を目指す。具体的には、高速道路での自動運転レベル4(特定条件下での完全自動運転)の実現をターゲットとする。
「この協業により、交通事故の削減や交通渋滞の緩和に貢献できる」とトヨタの関係者は述べている。また、NTTの担当者は「IOWNの技術を自動運転に応用することで、社会インフラそのものを変革したい」と意気込む。
業界への影響と今後の展望
自動運転分野では、米グーグル系のWaymoや中国の百度(バイドゥ)などが先行する中、日本勢の巻き返しが期待される。トヨタとNTTの協業は、自動運転の実用化に向けた重要な一歩となる。特に、通信と自動車の異業種連携は、今後の自動運転開発のモデルケースとなり得る。
両社は、今回の協業を皮切りに、スマートシティーや物流分野への応用も視野に入れている。自動運転技術が普及すれば、高齢者の移動手段の確保や配送の効率化など、社会課題の解決にもつながる。



