NTTドコモは7月13日、2026年度までに5Gの人口カバー率を90%に引き上げる目標を掲げ、地方創生に向けた新たな取り組みを発表した。同社はこれまで都市部を中心に5Gエリアを拡大してきたが、今後は地方部での整備を加速し、デジタル格差の是正を目指す。
5Gエリア拡大の具体的な計画
NTTドコモの発表によると、2023年度末時点の5G人口カバー率は約75%で、2026年度末までに90%に引き上げる。この目標達成のため、基地局の新設を進めるほか、既存の4G基地局を5Gに対応させる「シェアリング」の手法も活用する。特に過疎地域では、コスト効率の良い小型基地局やローカル5Gの導入を検討している。
同社の担当者は「地方では人口減少や産業の衰退が課題となっている。5Gを活用した遠隔医療やスマート農業など、地域のニーズに合わせたサービスを提供することで、地方創生に貢献したい」と述べた。
自治体との連携強化
NTTドコモは、全国の自治体と連携し、5Gを活用した実証実験を積極的に行う方針だ。例えば、北海道の自治体と連携した遠隔診療の実証実験や、九州でのスマート農業プロジェクトなどが進行中である。これらの取り組みを通じて、5Gの利活用モデルを確立し、他地域への横展開を図る。
また、同社はローカル5Gの普及にも力を入れる。ローカル5Gは、企業や自治体が自らの施設内で5Gネットワークを構築できる仕組みで、工場の自動化や観光地でのAR/VR体験など、多様な用途が期待される。NTTドコモは、ローカル5Gの導入支援サービスを提供し、地域のデジタル化を後押しする。
5Gの利活用による地域課題の解決
NTTドコモは、5Gの高速・大容量・低遅延の特性を活かし、以下の分野での活用を想定している。
- 遠隔医療:専門医不足の地域での遠隔診療や手術支援
- スマート農業:センサーやドローンによる農作物の生育管理
- 観光振興:AR/VRを使った観光体験の提供
- 防災:災害時の高精細映像伝送による迅速な状況把握
これらのサービスは、地域の実情に応じてカスタマイズされる。同社は、各自治体と協力して地域の課題を洗い出し、最適なソリューションを提案する。
今後の展望
NTTドコモは、5Gエリア拡大と同時に、2020年代後半に商用化が期待される「6G」の研究開発も進めている。6Gでは、さらに高速で信頼性の高い通信が可能となり、新たなサービス創出が期待される。同社は、5Gの知見を活かし、6G時代に向けた技術開発を加速する方針だ。
今回の発表は、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」にも合致する。総務省の担当者は「NTTドコモの取り組みは、地方のデジタル化を推進する上で重要な一歩だ。他の通信事業者にも波及することを期待する」とコメントした。
NTTドコモは、今後も5Gの展開を通じて、地域社会の課題解決と持続可能な発展に貢献していくとしている。



