2026年の北中米ワールドカップは、史上初の3カ国共催という大きな特徴があります。しかし、その厳しさは選手だけに及ぶものではありません。ベテランサッカージャーナリストの元川悦子氏が、現地で直面した「初の3カ国共催」と「歴史的円安」の洗礼について詳しくリポートしています。
移動の災難と施設の充実
日本代表が拠点とするナッシュビルでは、天候の影響で飛行機の運行に支障が出ることがあります。時間的には数十分間の遅れで済むことも多いですが、時には足止めを食らうことも。日本代表は午後から夕方にかけてのフライトを多く利用するため、天候の急変が心配されます。
一方、施設面は非常に充実しています。日本代表がトレーニングを行うのは、MLS・ナッシュビルSCのトレーニングセンターです。ナッシュビル南東の郊外に位置し、ダウンタウンから約24km、空港からは車で20分程度とアクセスも良好。移動負担が少ないのは大きな利点です。
充実したトレーニング環境
天然芝ピッチのコンディションは良好で、トレーニングルーム、ホットバス、アイスバスなどのリカバリー設備も完備。39歳の大ベテラン・長友佑都選手は「10年の南アフリカ大会から5回W杯に行っているが、ナッシュビルはすべてにおいてレベルが高い。環境面は今までと違う。相当過ごしやすい」と語っています。
施設の使用期間は限られていますが、そこでじっくり調整し、選手・チームを万全の状態に仕上げることが期待されます。エースナンバー10をつける堂安律選手は「吉田麻也さん、南野拓実さんがサポートしてくれている。施設もメチャクチャいい。言い訳はできない」とコメント。その後、キャプテン遠藤航選手の離脱と板倉滉選手の新キャプテン就任という急展開がありましたが、逆境を乗り越えてオランダ戦に臨みます。
ベテラン記者が直面した移動の災難
代表チーム関係者がモンテレイでのストレスから解放された一方、メディアは別の苦労があります。筆者自身、モンテレイからナッシュビルへの移動で冷や汗をかきました。モンテレイ〜ナッシュビル間はダラス経由が効率的ですが、コストを考慮してデトロイト経由のアエロメヒコ航空とデルタ航空のコードシェア便を選択。しかし、手荷物料金やディレイなど、災難が次々と襲いました。
歴史的円安の影響で、取材費用も増大。3カ国共催という新たな試みは、選手だけでなく、メディアやサポーターにも厳しい戦いを強いています。それでも、日本代表の活躍を伝えるため、記者たちは奮闘を続けます。



