愛知・名古屋アジア大会は21日、体操競技で男子団体総合予選を兼ねた個人総合決勝が行われた。つり輪に出場した金田希一(相好体操クラブ)は14.600点で同種目の2位となり、団体総合の予選通過に貢献した。
東京五輪金メダルの橋本大輝(日本生命・セントラルスポーツ)、パリ五輪金メダルの岡慎之助(徳洲会)という豪華なメンバーで臨む今大会の日本代表の中で、金田はつり輪のスペシャリストであることを期待されての選出。これから団体、種目別と決勝が続くが、中国勢が世界最強の選手層を誇る種目で、その牙城を崩す戦いに挑む。
出来映えのE得点最高タイ
21日の予選に登場した金田は、決勝進出への確実性を重視して難度を少し落とした技構成を選択した。それでも出来栄え審査のE得点ではこの日の最高タイとなる9.100の高評価を獲得。ピタリと着地を決めると、観客席に向かって満面の笑みでガッツポーズを見せ、「思った以上に予選からお客さんが入ってくれて、自分の演技も良くて盛り上がってくれたので楽しくできました」と振り返った。
「0.1」を削り続ける
個人総合で芽が出ず、2年半前からつり輪に専念することを決断した金田は、この種目との向き合い方について「減点の項目がいっぱいあって、パッと見ても分からないような揺れだったりとか、手首の巻きだったりとか、持ち込みの姿勢だったりとか、細部にこだわっている」と語る。
僅差で勝負が決まることも多く、「この減点『0.1』で人生決まる、金メダルと銀メダルが『0.1』(の差)で決まる時もあるので。その『0.1』をひたすら削り続ける、誰が見ても点を引かれないようにする、ということにはプライドを持っている」。細部への執念を語る姿は、職人のようでもある。
世界一への挑戦
日本にとってはライバルと比べると手薄な種目とされるつり輪で、世界最強の選手層を誇るのが中国だ。「今回はアジア大会ですけど、中国の選手は実質的に世界一で間違いない」と金田。実際に今回の予選でも上位4人中、金田以外の3人は中国勢が占めており、世界選手権の金メダリストやパリ五輪銀メダリストなど、トップクラスの選手が出場している。
「そういった選手たちに挑んで、たとえ勝敗はどうなっても、高い評価を得られればすごく意味のあることなんじゃないかな」と視線は冷静だ。
ただ、世界一を目指す上で、中国勢を打破することは避けて通れない道だ。アジア大会の男子団体決勝は23日、種目別の決勝は24日。直接対決の貴重な機会だが、まずは自身の現在地を知るための挑戦となる。



