愛知県と名古屋市を中心に開催される第20回アジア競技大会は、開幕を19日に控え、選手の受け入れ態勢や歓迎式典での演出をめぐって、大会運営の不備に対する批判が強まっている。
宿泊施設の不足と質への不満
アジア最大のスポーツの祭典は準備段階から問題に見舞われており、五輪を上回る1万7000人以上の選手や役員に対する部屋不足が指摘されている。一部のチームからは、ベッドの長さが足りないなど宿泊施設の質についても批判が出ている。
費用削減のため選手村は作られておらず、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会(AINAGOC)は、ホテル、コンテナ宿舎、クルーズ船に選手らを分散して宿泊させている。
中国選手、到着時に長時間待機
パリ五輪の体操男子で銀メダルを獲得し、世界選手権で2度の優勝を誇る中国の張博恒選手は、16日の来日後、自身とチームメイトの一部が宿泊施設に入るまで6時間待たされたと語った。17日に公開され中国のSNSで拡散された動画の中で、張選手は「完全に疲労困憊」と述べた。
張選手によると、名古屋港エリアで選手団4000人が宿泊するクルーズ船に向かう前に、登録や書類手続きで待ち時間が発生。さらに船に到着した際、激しい雨のため乗船できなかったという。「午前7時に朝食をとった後、次に食事ができたのが午後7時近くになるとは思わなかった」「こうして1日が基本的に無駄になった」と語り、最終的に耐えられなくなり自分でホテルの部屋を予約したと明かした。
この動画はその後削除されたが、中国の国営メディアは、他の中国人選手も到着時に移動の遅れに直面したと報じた。新華社通信によると、シャトルバスのトラブルや公共交通機関のチケット不足を受け、名古屋の中国総領事館は地域の中国人住民に連絡を取り、バドミントンチームの送迎を依頼したという。
インド・韓国選手団も遅延、抗議も
中国のSNSユーザーは、卓球のスターである孫穎莎選手らが空港でストレッチや運動をしている姿を称賛。ハッシュタグ「アジア大会の不条理」は、中国の短文投稿サイト微博で9400万回以上閲覧されている。
インド代表団も空港で同様の遅れに直面した。インド選手団の団長でインド・オリンピック委員会(IOA)財務担当のサデブ・ヤダブ氏は、「入国審査時の選手登録に問題があった。他国の選手らも多く、長い列ができていた」とAFPに語った。同氏は「こうしたことは起きるものであり、現在はすべて解決した」「これらはすべて初期トラブルに過ぎず、私たちは今、パフォーマンスに集中している」と付け加えた。
韓国の聯合ニュースは、同国の一部選手が17日に空港で5時間以上待たされたと報じた。大韓体育会(KSOC)の担当者は「選手が何時間も待たされたという報告を含め、状況は把握しており、対応に最善を尽くしている」とAFPに述べた。
一方で大韓体育会は、選手が宿泊するクルーズ船が15日に名古屋港に入港した際のイベントで、1592年~1598年の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)を主導した豊臣秀吉に扮した人物が登場したことを受け、組織委に抗議を申し立てたと発表した。アジア・オリンピック評議会(OCA)や組織委からのコメントは出されていない。



