教育費200万円で起業、返品率0.001%の自転車販売法 青切符導入で注目
教育費200万円で起業、返品率0.001%の自転車販売法

青切符導入で浮上した小学生同乗問題

2026年4月、改正道路交通法の施行により自転車の交通違反に「青切符」が導入され、小学校入学後の子どもを同乗させる行為が取り締まりの対象として可視化された。これまでグレーゾーンとされてきたこの問題は、子育て世帯に大きな不安を広げている。

「日常生活では、学童のお迎えなどで小学生以上の子どもを自転車に乗せる場面は少なくありません。特に障害のあるお子さんは、成長しても一緒に移動するのが大変です。スクールバスで特別支援学校に通う場合、バス停までの送迎に自転車を使うケースも多い。ひとくくりに小学生以上はNGとすると、生活が成り立たなくなる人が大勢います」と語るのは、株式会社ふたごじてんしゃの代表取締役・中原美智子さん(55歳)だ。

法改正の立役者、中原美智子の活動

中原さんは2021年の道路交通法改正にも深く関わっている。それ以前の法律では、自転車の幼児用座席に同乗できる子どもの年齢制限は「6歳未満」と定められていた。つまり、幼稚園や保育園に通う子でも、6歳の誕生日を過ぎれば法律上は乗せられなかったのだ。中原さんは制限変更を求め、オンライン署名などの活動を続け、2021年の法改正(「小学校就学前まで」への一律引き上げ)を実現させた。

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背水の陣:教育費200万円を資本金に

中原さんの起業は、自らの子育て体験が原点だ。双子の出産を機に、安全な子ども乗せ自転車の必要性を痛感。しかし、既存の製品では安全性や使い勝手に満足できず、自ら会社を立ち上げる決意をした。資本金は、子どものために貯めた教育費200万円のみ。「失敗は許されない」という背水の陣での起業だった。

驚異の返品率0.001%、独自のアセスメント販売

同社の最大の特徴は、独自の「アセスメント販売(R)」という販売手法だ。これは、購入希望者の利用環境や運転技術を事前に評価し、安全に使えると判断した場合のみ販売するというもの。誰にでも売らないという姿勢が、驚異の返品率0.001%を実現している。さらに、リコールが発生した際もクレームは皆無だったという。

「私たちは、単に自転車を売るのではなく、安全に使っていただくための仕組みを提供しています。アセスメント販売は、お客様の生活スタイルやお子さんの年齢、体格などを総合的に判断し、最適な製品と使い方を提案します。これにより、購入後のミスマッチを防ぎ、事故やトラブルを未然に防ぐことができるのです」と中原さんは説明する。

「おでかけじてんしゃ」という新構想

中原さんは現在、さらに新しい構想を描いている。それが「おでかけじてんしゃ」だ。これは、単なる移動手段としての自転車ではなく、子どもとのお出かけを楽しく、安全にするための総合的なサービスプラットフォームを目指している。具体的には、子ども乗せ自転車のレンタルや、安全な走行ルートの提案、地域の子育て情報との連携などが含まれる。

「自転車は、子育て中の親にとって欠かせない移動手段です。しかし、法律や安全面での課題も多い。私たちは、アセスメント販売で培ったノウハウを活かし、すべての子どもと保護者が安心して自転車を楽しめる社会を目指します」と中原さんは語る。

2026年4月の青切符導入を機に、子ども乗せ自転車の安全と法整備のあり方が改めて問われている。中原美智子さんの活動は、子育て世帯の声を法制に反映させるモデルケースとして、今後も注目を集めそうだ。

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