拓大紅陵、豪雨で生徒約70人来場できず…主将「ありがとう」 夏の甲子園
拓大紅陵、豪雨で生徒約70人来場できず…主将「ありがとう」 夏の甲子園

第108回全国高校野球選手権大会第11日の15日、拓大紅陵は仙台育英(宮城)に3―6で競り負け、8強進出を逃した。二回に山辺颯選手の適時打で1点を返し、六回にも加治征樹、阪本幹太両選手の連続適時打で追い上げたが、序盤の失点が響いた。37分間の降雨中断にも集中を切らさず、全力プレーを続けた選手たちに大声援が送られた。

投手・二宮楽の力投とカーブへのこだわり

3点を追いかける二回二死三塁、これ以上の失点は避けたい場面だ。右打席に相手の3番を迎える。マウンド上の二宮楽投手は、追い込んでから勝負球に選んだカーブを打者の膝元に投じた。決まったかに見えたが、中前にはじき返され適時打に。「もっと低めに投げないといけなかった」と唇をかんだ。

小学4年で野球を始めてから投手一筋。もともとカーブが得意で、高校ではさらに自在に操れるように猛練習した。今春の県大会、強豪・専大松戸の右打者を相手に落差の大きなカーブが威力を発揮し、「この球なら必ず空振りが取れる」と実感。決め球としても使えるようになり、夏に向けた手応えをつかんでいた。

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磨き続けた得意球を武器に24年ぶりの千葉大会制覇に貢献し、全国の強豪に挑んだ二宮投手。この日は5回5失点と仙台育英打線に屈したが、甲子園でも最後まで自らのスタイルを貫いた。「直球を磨いて、もっとカーブを引き立てられるようにしたい」。最後の夏の経験を糧に、技巧派左腕は成長を誓った。(吉持稀紘)

主将の感謝とマネジャーの声援

6回に適時打を放つ加治主将。加治征樹主将は「全員が最後まで下を向かず諦めなかった。千葉県が大雨で大変なことになっている中、応援に来てくださった方もいる。『ありがとう』と言いたい」と語った。

拓大紅陵のアルプス席では、野球部マネジャーの照井瑞葉さん(2年)が力強い声援を送っていた。加治征樹主将とは、同じ少年野球チームでプレーした仲だ。中学で野球を離れたが、「もう一度野球に関わりたい」とマネジャーに。遅くまで練習する加治主将の姿を見てきたといい、「悔いのないように出し切ってほしい。私も全力で声を出す」と語った。

豪雨の影響で約70人が来場できず

千葉県が記録的な大雨に見舞われ、一部の公共交通機関の運休が続いた影響で、拓大紅陵のアルプス席には、応援を予定していた一般生徒約100人のうち70人ほどが駆けつけられなかった。自宅が膝下まで浸水したり、車が水没したりして来場がかなわなかった生徒もいるという。

応援団責任者の大槻智之教諭(41)は「来られなかった生徒の分まで精いっぱい声を出したい」と力を込めた。応援団長の唐鎌蓮さん(2年)は「甲子園で元気に応援している姿を見てもらい、被災した人を少しでも勇気づけたい」と話していた。

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