聖地に輝く球児の「いい顔」 高部投手はグッドルーザー
聖地に輝く球児の「いい顔」 高部投手はグッドルーザー

初めて甲子園を訪れた新米記者は、球場を包む熱気に圧倒され、都道府県大会を勝ち抜いてきた猛者たちの「表情」に心を動かされた。開会式で選手宣誓を行った八王子実践(西東京)の矢沢陵磨主将は、全国から集結した高校球児らに「いい顔をして野球をしよう」と呼び掛けた。この言葉を体現するかのように、多種多様な「いい顔」が球場いっぱいに輝いている。

プロ注目左腕の笑顔

1回戦で敗退した聖隷クリストファー(静岡)の高部陸投手の表情が印象に残る。最速150キロ超を誇るプロ注目の左腕はグラウンド内外で笑顔を絶やさず「聖地での野球を楽しもう」と仲間を鼓舞し続けた。不運な負けにも、試合後の整列時には、佐野日大(栃木)のエースとも笑顔で健闘をたたえあい、かなわなかった思いを託した。

被災地の思いを背負って

対戦相手にも敬意をもって接する。甲子園の舞台で全国の球児が心を通じ合わせる瞬間は、そばで見ているだけで目頭が熱くなった。最大震度7の地震に見舞われた熊本県代表の有明は「被災地の人々に勇気を届けたい」との思いを持ち続け、逆転で初戦を突破した。勝利した後でも実田聡志主将は真剣な表情を崩さず「熊本の人々の思いを背負ってプレーし続ける」と語った。その芯のある力強さもまた「いい顔」だった。

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大正13(1924)年に開業した甲子園球場。歴代の選手たちの「いい顔」が積み重なり、聖地としての価値を高めている。(藤澤拓光)

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