第108回全国高校野球選手権大会第11日の15日、智弁和歌山は3回戦で敦賀気比(福井)を7―3で破り、優勝した2021年以来のベスト8進出を決めた。タイブレイクの延長十一回、川原一将選手の適時打などで5点を勝ち越し、五回途中から救援した久葉亮太投手がリードを守った。準々決勝は18日、第2試合で仙台育英(宮城)と対戦する。
同点打と勝ち越し打
八回、二死二、三塁。2点をリードされ、同点の期待がかかる場面でも、打席の川原選手は決して動じなかった。「ハラハラする試合展開の方が楽しい」。初球を思い切り振り抜くと左中間を破る同点の二塁打となり、「今までの野球人生で一番気持ちよかった」。
タイブレイクに入り、延長十回のサヨナラのピンチを切り抜けた後の十一回、一死二、三塁の好機でまた川原選手に打席が回ってきた。「自分が決めるんだという強い気持ち」で、今度は三遊間をゴロで破る勝ち越し打。山下晃平選手の中前打、黒川梨大郎選手の右翼への二塁打と続き、打線が一気に勢いづいて計5点を奪った。
中盤までの苦しさと父の教え
中盤までは、相手投手の緩い変化球に翻弄され、走者を出しても得点できなかった。重苦しい展開のなか、川原選手は「何とか(ミスを)取り返したかった」。二回、自らの打球を遊撃手が落球したのを見逃し、ベンチに戻ろうとしてタッチアウトになっていた。それでもチームメートから「気にすんな」と言われて気持ちを切り替え、終盤の活躍につなげた。
智弁和歌山野球部OBで1994年春の選抜で優勝した父の一剛さんからは「甲子園では攻めないと結果は出ない」と言われてきた。激戦を制しての8強入りに「(勝つと)思い続ければかなう。(次も)チーム全員で勝ちにいく」。一戦必勝で目標の日本一に向かっていく。(岡本珠梨)
主将のコメント
松本虎太郎主将は「2点リードされて終盤に入ったが焦らず、絶対にチャンスは来ると信じていた。次も自分たちの野球をして勝ちにいく」と話した。



